大阪市立東洋陶磁美術館

2007/07/18  益田 康之 

中之島の大阪市立東洋陶磁美術館で開催されている

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「安宅栄一の眼」展を見に行きました。

当美術館は、安宅栄一のコレクションを中心とした
中国、朝鮮、日本の陶磁器に特化した美術館です。

安宅栄一は大型倒産で世間を騒がせた安宅産業の
創業者の長男にあたりますが、
幸いコレクションは散逸することなく、
支援した住友グループから大阪市に寄贈され、
今私たちも鑑賞することができるようになりました。

私が初めて当美術館を訪れたのは一昨年の冬でしたが、
所用で梅田に出たついでに寄ったといった感じでした。

この美術館のことは、テレビの「開運!なんでも鑑定団」の
鑑定士、中島誠之助さんが時折番組の中で言及されているので、
名前だけは知っていましたが、
これ程、質、量共に充実しているとは思っていませんでした。

この時は、11時に入館して閉館の5時まで、
食事も忘れて没頭していまいました。

朝鮮白磁は、清清しい白でありながら
妖艶ささえ感じさせる艶やかさでしたし、
高麗青磁の鮮やかな青は正に翡翠の色でした。
特に、景徳鎮窯の青白磁は、その前で立ち尽くしてしまう程
深い輝きを見せてくれます。

今回のコレクションでは、こんな可愛い人形から

図柄も色も鮮やかな皿なども展示されています。

また、当美術館が誇る2点の国宝も並べて展示されています。


国宝 油滴天目 茶碗


国宝 飛青磁 花生

会期は9月30日までですが、
その後、半年間工事のために休館されるそうです。
興味のある方は、是非それまでに足をお運び下さい。


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辻回し

2007/07/17  益田 康之 

今日7月17日は、
関西人にとっては祗園祭のハイライト「山鉾巡行」の日です。
今年は火曜日で、豊中店の定休日に当たりましたので、
見に行くことにしました。

32基の鉾と山の巡行順序は、くじで決まりますが、
長刀鉾は「くじ取らず」で常に先頭を行きます。
この長刀鉾が四条烏丸を出発するのが9時なので、
「辻回し」の行われる四条河原町に8時45分頃陣取りました。

待つこと暫し、
四条麩屋町で注連縄(しめなわ)切りを済ませた長刀鉾が、
コンチキチンのお囃子と共に、
群衆整理の婦警さんの言うとおり、
「とろり、とろり」と近づいてきます。

そして、四条河原町の交差点で90度回転する
「辻回し」が行われます。
鉾には、自動車のようなディファレンシャルギア
といったような機構はないので、
車輪の下に竹を敷き、水を撒いて、
力任せに引きずって回すのです。
祇園祭で一番勇壮な場面です。

勇壮とは言っても、90度回すのに3回は掛かり、
その度に竹を敷き直すのですから、
まだかいなぁ、と思ってしまいます。
ただ、その内にこのテンポに慣れて
さすが、みやこの祭だと感じ入りようになります。

そして、12トンもある鉾が、
四条通りから河原町通りに向きを変えると、
期せずして拍手が巻き起こります。

万事がこのようにゆっくりと進行するので、
「動く美術館」と言われる豪華な前懸け、胴賭けを始め
中国の故事に倣った飾り物や異国情緒豊かな絨毯も
十分に楽しめます。

祗園祭は、平安時代に、当時流行した疫病を祓うために
始まったそうです。

今年からは天変地異も、天の水、地の揺れを小出しにして頂き、
自然を優しくして貰う方にもご利益がありますようにと、
3時間立ち尽くしながら祈りました。

豊中店の益田でした。


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菖蒲(ショウブ)

2007/05/24  益田 康之 

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連れ合いが、3日前に友人から花菖蒲を頂きました。
一瞬見たときは、葉っぱだけが目立ち、
今夜は菖蒲湯かなと思いました。

菖蒲と花菖蒲は全く異なるものらしいですが、
私には花が咲かないと区別がつきません。
いづれにしても、その凛とした姿が、こちらの背骨まで
真っ直ぐにさせてくれるように感じます。

子供の頃は、菖蒲は「尚武」に通じるということで、
端午の節句では必ず飾ったものでした。
菖蒲湯も、当時は内湯などなく、銭湯の大きな湯船に
紐で括った束が浮かんでおり、馬乗りになって遊んだのを
覚えています。

我が家の花菖蒲は、細く巻かれていた花弁がたちまち開いて、
葉や茎に比べて、どこなくはかなげな薄紫の姿を
見せてくれています。


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博士の愛した数式

2007/05/20  益田 康之 

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昨夜、テレビで「博士の愛した数式」が放映されました。

原作は4年前に、本屋さんが薦める本ベストワンに選ばれています。
私も、この宣伝文句に惹かれて読みましたが、
すっかり感情移入してしまいました。

博士が、大変な阪神ファンだというのも
心地良くさせてくれる要因です
(他のチームのファンでも楽しめる小説であることは
保証いたします)。

原作があまりに素晴らしかったので、映画を見に行きました。

大抵は自分のイメージと違ってがっかりするのですが、
映画も良いできで楽しめました。
特に博士の家の台所がアイランドキッチンになっていたのには、
この舞台をデザインした人の発想の柔軟さに感心しました。

原作の最後の一節は
「縦縞のユニフォームの肩越しに背番号が見える。完全数、28」
だったと思います。

これで理科系人間の血が騒いだのでしょうか。
続けて「素数の音楽」を読みました。

数学の本としてではなく読み物として面白く、
勢いで「素数に憑かれた人たち」にも挑戦しました。

こちらは最後のほうで難しくなって、
私のレベルでは理解不能になってしまいました。

この2冊を読んで思ったのは、
大数学者といわれる人達は、ある種の空間認識が
異常に優れているのではないかということです。
数式を見て絵を思い浮かべる事ができるのではないでしょうか。

テレビを見ていて、そんな数学者の頭の中に想いを巡らしました。


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藤原伊織さん

2007/05/18  益田 康之 

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昨日の夕刊に藤原伊織さんの死亡記事が載りました。
私が初めて読んだ彼の作品は「ひまわりの祝祭」でした。

「ひまわり」は、ゴッホの「ひまわり」を意味していると知り、
当時、絵を見ることに興味を覚え始めていたので、
特にゴッホが好きなわけではなかったのですが、
どういう風に有名な「ひまわり」がからむのか知りたくて
単行本を買い求めました。

作家の顔写真から少し暗い内容かと思ったのですが、
主人公と近所の若者との会話が、ボケとツッコミの
掛け合い漫才のようで、メリハリの効いた台詞が、
読んでいて非常に気持ち良かったのです。

ここら辺は作家が大阪出身であることの面目躍如と
いった感じです。「ひまわり」も確かな構成の中に組
み込まれていて、本筋も大いに楽しめました。

続いて、江戸川乱歩賞と直木賞を史上初めてダブル
受賞して話題となった「テロリストのパラソル」を読み
ましたが、テロリストの人物描写が納得できるもので、

この作家の本は全て読んでみようと思いました。
そう思えたのも作品数が極端に少ないからです。

寡作である理由の一つは、電通のサラリーマンとの
二足の草鞋を履いていたからかもしれません。
同じサラリーマンとして勇気付けられたような気もしました。

もう一つ好きな作品に「てのひらの闇」があります。
これは不気味な暴力が描かれていて、私にはハードボイ
ルド過ぎたのですが、やはり主人公の傑作な思考回路と、
しっかりした物語の構成で読ませます。

享年59歳。
若い優れた才能の夭折を悼みます。

益田


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