2010/05/29

ボルボ C70


オープンカーにもなるおしゃれな2ドアクーペ



大幅な変更で存在感が高まった外観


 ボルボC70が、大幅に変更を受けて登場した。

 2006年に誕生した2代目としての位置付けはそのままに、
見映えや仕様変更が行われたのである。

 最大の変更点は外観だ。

 とくに顔つきがまったく変わって、別のクルマに見える。

 先にC30もデザイン変更を受けているが、同じ様に、
より存在感が高まり、また2ドアクーペという、
おしゃれな雰囲気を大切にする車種として、
持つ喜びを実感させるデザインになった。

後席も快適なオープンカー



オープンにした状態でも万全の安全機能


 エンジンは、排気量が2,500ccの直列5気筒に、
ターボチャージャーによる過給を装備した1種類に
絞り込まれ、あわせて車種構成はC70T5GTという
1種類のみとなった。

 これに、装備を追加したラグジュアリーパッケージ
を選べるようにしている。

 今回の試乗車は、そのラグジュアリーパッケージ装備車だ。

 標準仕様のC70T5GTでも室内は本革シートとなるが、
ラグジュアリーパッケージでは本革がプレミアムソフトレザー
になり、手触りはやわらかい。

 またオーディオの出力アップや、タイヤサイズがより扁平
になるなどの違いがラグジュアリーパッケージにはある。

 そもそもC70の大きな特徴となるのは、2代目から採用
された、屋根が3分割でトランクに収納されることにより
オープンカーにもなるという、
電動リトラクタブル・ハードトップルーフである。

 シフトレバー近くのスイッチ操作により、
30秒ほどで自動開閉する。



標準仕様でも本革シートだが、ラグジュアリー
パッケージではプレミアムソフトレザーに


 他の自動車メーカーの開閉可能なハードトップは、
より短時間で開閉できる場合が多いが、
ボルボC70は室内がそれらより広く、
後席の快適性も考慮されているため、
屋根が大きいことでそれだけの時間を要する。

 しかし、その時間差は何秒かのことであり、
ゆったりとした広さを持つ後席に座ってみると、
他のオープンカーとは比較にならないほど居心地がよい。

 シートの背もたれに適度な傾斜が確保されているので
着座したときの姿勢もよく、4ドアセダンとほぼ変わらない
心地よさで乗っていられる。

 オープンにするためハードトップルーフをトランクに収納
した際には、トランクの収納容量は当然ながら制約を受けるが、
荷物を出し入れするときには、スイッチ操作により収納した
ハードトップルーフが20センチ持ち上がり、
開口部を広げるという便利で親切な機能を備えている。

 実用性より格好良さや快適さを求めたC70ではあるが、
こうしたちょっとした便利さへの気遣いが、
うれしい気持ちにさせる。

ボルボらしく万全の安全機能



エンジンは2,500cc直列5気筒に
ターボチャージャーを装備した1種類


 さて、オープンにして走り出すと、
屋根を収納していてもしっかりとした車体剛性を持たせるため、
車両重量が重くなっているのを感じる。

 だが、あまりあるターボエンジンの出力によって、
加速は十分だ。

 搭載エンジンをターボエンジンに絞ったという戦略は
間違いのないところだろう。

 屋根を閉じて走れば、室内は静粛性が保たれ、
高級車の気分を味わえる。

 そしてオープンカーにすれば、春の風に乗って
爽快なドライブを楽しめる。

 もちろんボルボらしく、オープンにした状態でも、
万一の衝突事故や転倒に対する万全の安全機能が
独自の視点で開発されており、不安なくオープン
ドライブを堪能できるだろう。

 その安全装備をいくつか挙げると、
オープンにしていても機能するサイドエアバッグ、
後席に座っていても衝突の際に体が放り出される
心配のないシートベルト機構、万一の転倒に際しても、
フロントウインドー支柱と、後席うしろに飛び出す頑丈な
ロールバーで頭部を保護するなど。

 最後に、競合他車に比べ、200万円からそれ以上安い
価格設定も魅力だ。

 安全に万全の配慮がなされ、そのうえ見映えも良く
なったオープンカーを、この際、手頃な価格で楽しんで
みてはどうだろう。

                        (読売新聞)


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