2011/05/15

ベンツ「CLS」 初のフルモデルチェンジ






































力強い外観 「筋肉のよう」

 「4ドアクーペ」という新ジャンルを切り開いたメルセデス・ベンツの「CLS」が、初のフルモデルチェンジにより2代目となった。先代から受け継いだ優雅さに加え、新エンジンの高い環境性能もアピールしている。(林優樹)

ボディーはスタイリッシュで優雅。高い環境性能も特徴の「CLS」(メルセデス・ベンツ日本提供)

 CLSのモデル名は、クーペを表す「CL」と最高級クラスの「S」を掛け合わせて命名された。

 ベースとなっているのは高級セダンの「国際標準」とも言えるEクラスで、基本的な構造を共有している。2004年にデビューした初代は、全高を低くしたスタイリッシュな外観が好評で、全世界で約17万台を販売した。このヒットを受けて欧州メーカーが相次いで追随するモデルを発売した。日本では2005年2月に発売され、1万3000台以上を販売した。

 新型は、先代の優雅な外観を継承しながら、ボディーの後輪上部の部分を盛り上げた。「肉食獣やアスリートの筋肉のような力強さ」を表現したという。

さらに目を引くのは、発光ダイオード(LED)だけで構成されたヘッドライトだ。

 ウインカー用に13個、2種類のロービーム用に計16個など、クルマの片側だけで61個(オプションを含めると71個)ものLEDを使用した。カメラで対向車と先行車を感知し、ロービームとハイビームを自動的に切り替えるシステムを搭載したLEDヘッドライトは、世界初だという。ステアリングを切った方向に向きを変えるなど、走行状況や天候に適した照射角度や範囲を自動的に選ぶ五つの機能も持つ。

 ここ数年で進んだ環境重視の流れにも対応した。「CLS 350」に搭載される新開発の3・5リットルV6直噴エンジンは、高い出力が不要な走行中はガソリン濃度が低い気体を送り込む「希薄燃焼(リーンバーン)」など、エンジンにかかる負荷に応じた燃焼方式を自動的に選ぶ。さらに、アイドリングストップ(停車時エンジン停止)機能も採用した。最高出力は306馬力と先代を34馬力上回りながら、燃費は1リットル当たり14・7キロ・メートル(欧州参考値)と、約33%向上した。

左右が独立した後部座席(メルセデス・ベンツ日本提供)

 内装は豪華で、本革と木材をぜいたくに使った。後席は中央部で二つに分かれており、定員は4人となる。ダッシュボードやドア部分に間接照明を採用するなど、エレガントで上質な雰囲気を演出した。荷室は、Eクラスよりもやや狭いが、十分な広さを確保した。

 走行状況に応じて固さを自動的に調節するサスペンションも採用し、より快適なドライビングを可能にしたという。

 居眠り運転による事故を防ぐため、ドライバーの運転特性を解析し、ドライバーの疲労や眠気を感知して、音とディスプレーで警告するシステムも標準装備した。

 さらに高性能を求める人には、新開発の5・5リットルV8直噴ツインターボエンジンを搭載した「CLS 63 AMG」もある。先代の6・3リットルエンジンよりも小さくなったが、最高出力は525馬力と11馬力上回った。アイドリングストップ機能も搭載し、燃費は1リットル当たり10・1キロ・メートル(欧州参考値)と3割以上向上した。

 価格は、930万円と1625万円。車としての魅力はアップしたが、市場環境は、決していいとは言えない。先代発売時との環境の変化が、販売台数にどれだけ影響するのかは未知数だ。

(読売新聞)


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