2012/07/13

左足ブレーキは危険?


 左足ブレーキは危険?

オートマチック(AT)車を運転するさい、左足でブレーキ操作をする人がいるようです。教習所では習わなかったのですが、危険性はないでしょうか?(大手小町編集部)

 左足が疲れやすく、MT車で間違う恐れ

 右足ブレーキと決めておくと、左足で体を支えられるほか、アクセルとブレーキの両方を同時に踏まずに済むなどの利点があります。

 では、左足ブレーキはというと、いつでもブレーキの上に足がある状態なので、ペダル踏み替えの時間差がない、踏み間違いも起きないという利点をあげる人が多いようです。

 かつてほとんどのクルマはマニュアルトランスミッション(MT)でした。当時は、クラッチペダルとブレーキペダルを左右それぞれの足で両方同時に操作する必要があったため、左足ブレーキは非常に特殊なことでした。ATが主流になった今日では、左足はペダル操作に使われないため、左足でブレーキを操作するという発想が生まれたのでしょう。

 しかし、私は、安全運転講習会などで、左足ブレーキを薦めてはいません。

 いつでも左足をブレーキペダルの手前で準備しておく、ということは、左足が疲れやすくなります。また、AT車に慣れた人が、MT車に乗った際に、間違った操作をする恐れがあります。さらに、ブレーキペダルを踏むつもりがなくても、左足がブレーキペダルに触れると、ブレーキランプが点灯する可能性があります。

 一方で、自分は左足が疲れないとか、MT車を運転しない、という人がいるのも事実です。

 肝心なのは、どちらがリスクを少なくできるかでしょう。

 右足ブレーキでは、左足で体をきちんと支えられるため、しっかりとしたブレーキ操作を行うことができ、減速だけでなく、急ブレーキを踏んだ際に、適切なハンドル操作で危険を回避することにつながります。ペダル踏み替えにより、わずかに制動距離が延びるとしても、危険回避操作を正確に行える方を私は選びます。

 これは、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)と同じ考え方です。急ブレーキをかけてタイヤの回転が止まり、路面を滑ってしまわないように、自動的にポンピング操作(ブレーキペダルの踏み込みを弱めたり強めたりすること)を行ってくれる安全装備です。制動距離より危険回避を優先しているのです。

 以上が、私が左足ブレーキをお薦めしない理由です。

(読売新聞)



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