前の対談 次の対談 戻る | よみうり情報・住吉2001年3月より | ||
★ゲスト寺田一清さん <不尽叢書刊行会代表> | |||
★ホスト 氏田 耕吉 (ウジタオートサロン代表取締役) |
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あいさつの <不尽叢書刊行会>についてのお問合せは 〒596-0056岸和田市北町1−22 TEL 0724-37-4405 FAX 0724-37-2509 |
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「人生二度なし」という命の根本に思い至るには 親や目上の自覚者が「形から入る」ことを先にし続ける以外にない |
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氏田 「人生二度なし」という短い言葉が寺田さんのお話に良く出てきますが。 氏田 人間は真実をどうしても見失いがちなのですね。 |
寺田 わかりきったこと、当たり前の事が大事なのですが、それを軽く扱うのが人間の悲しい性癖です。「人生二度なし」だから、「永訣の予行演習」という言葉が生まれてきます。「永訣」とは永遠の決別(別れ)の意味で、一瞬一瞬を「永訣の予行演習だから」という覚悟で生きていくのです。そして「死の絶壁」にボールを投げて返ってくる力を生きるエネルギ−にするのですと教えられています。 |
寺田 今の人には科学技術の発達による便利さになれ過ぎて、「人生二度なし」、そして「命を賜(たまわ)っているありがたさ」をしみじみ実感し、命の根本に思い至る機会が無くなっています。それがわかるようになるためには、まず形の上からスタートする以外にありません。森先生は「朝のあいさつをする」「呼ばれたらハイと返事をする」「はきものをそろえる、席を立ったらイスを入れる」の三か条を言っておられます。それに二つを加えて「いただきます」「ごちそうさま」の五つの基本をまっとうするしかないのです。幼児でも習っている当たり前のことですが、命の根本に思い至るには、一生かけてこれを繰り返し繰り返しやるしかないのです。 |
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氏田 先日成人式で若者達が騒いだ事件がありましたね。その後に若者達が市長に謝った経過を見ると、現代の若者も分かってくれるような淡い期待もあるのですが。 |
朝起きた時には親が子どもに「おはよう」、職場では上司が「おはよう」とあいさつするのです。 「『あ』は、あかるく」 「『さ』は、さきに」 「『つ』は、つづける」 百日間続けると子どもは自然に「お父さんおはよう」と言うようになり、社員は「社長、本気でやっているな」となります。「受け入れ態勢」が出来るのです。相手の心に受け入れ態勢ができていないのにお説教をするのは、伏せたコップにビールを注ぐようなものです。入らないだけでなく辺りを汚すだけです。コップを上向けにして水が入るようにしなければなりません。 |
そのためには、先に親や社長など目上の人間がまず「形から入って」、あいさつをすることが大切なのです。
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日本人の大事な価値観がすっかり流されてしまったように見える |
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氏田 経営者は、「いかに短い時間に教育をして、事業に生かして、収益をあげて」と考えるのですが、まず経営者自身が自分を教育しなければならないのですね。 企業のトップはそうは行きません、自分自身や企業の存続にかかわってきます。 |
教育者よりも企業の社長さんの方が危機感をもっています。熱心にならざるを得ないのです。私の尊敬する経営者であり、日本を救う偉大な教育者である鍵山秀三郎さんは 「万策尽きてこの一手あるのみ。まず足元の掃除から」と言っていますがこれしかありません。 |
少し安心しました。寺田先生は森信三先生の教え、また寺田先生の数えを慕って来られる方のための勉強会を開かれているとお聞きしていますが。 |
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