2010/10/21
ベスト燃費は18.4km/L 最新3シリーズの衝撃(4/4)
内燃機関の限界点はまだ先
M3は、8300rpm(!)まで回る高回転型の4.0リッター
V8エンジンを搭載。420ps/40.8kg-mが生みだす加速
は痛快極まりなく、その一方では全車(6MT&7速DCT)
にアイドリングストップ機構が備わる。痺れるような官能の
エグゾーストと一瞬の静寂というコントラストは、BMWが
謳う「Efficient Dynamics」をまさに象徴している。
3シリーズ全車に備わるブレーキエネルギー回生システム
はM3にも漏れなく搭載。専用のドアミラーやリアディフュー
ザーなどもエアロダイナミクスに貢献している。10・15モー
ド燃費は9.5km/Lで、420ps/40.8kg-mというエンジン
パワーを考えれば十分に優秀といえるだろう。
新たなエンジンラインナップとなった3シリーズを
一気に乗ってみて感じたのは、まだまだ内燃機関
の魅力は持続可能だし、限界点も先にあると
思えたこと。
国内では特にハイブリッドのみに注目が集まって
しまったこともあって、海外からの“様々な答え”は
まだ広く認知されているとは言い難い。
しかし今回の新エンジンラインナップのように、
実際の数値でも唸らせるだけの性能は実現可能
なのだ。
車両であってもまだ細かな技術の積み上げによる
高効率化は可能。
そう考えると、現状のハイブリッドには十分に対抗
していけそうなポテンシャルを感じることができる。
しかもBMWの場合、
根底に流れるのは「駆け抜ける歓び」であり、
この哲学を持続可能とするために
「EfficientDynamics」の思想がある。
そう考えると、BMWは自動車を、
単に高効率なだけの乗り物としないことを、
静かに物語っていることが判る。
自動車としての本質的な魅力を維持しながら、
いかに効率を高めていけるか?
ハードルは高いが、そうした難題をクリアして
いくからこそ、そのブランドはもちろん送り出す
プロダクトからは決して魅力が失われないの
だろうと僕は思う。
それはまるで、走りと環境/燃費は確実に
両立する、ということを教えてくれているように
すら思えて、我々クルマ好きはすこぶる勇気
づけられるのだ。
(カービュー)