2011/07/30

アウディA7 スポーツバック















 


















アウディの技術を集めた新車種

新登場のアウディA7は1車種。価格は879万円(消費税込み) 左右のドアミラーのカウル内側に取り付けられた後続車両接近警報ランプは、視覚を邪魔せず、オレンジ色の明かりで的確に警告を促す 広すぎず狭すぎず、適度な座り心地で、運転に集中できる運転席だ。走りは身軽で運転が楽しい トランクリッドではなく、リアウインドーと一体で開くハッチバック構造。荷室は、深さはそれほどでもないが奥行きがある V型6気筒のガソリン直噴エンジンはスーパーチャージャーを装備、最高300馬力を出す。燃費は10.2km/L(10・15モード) 真横から見ると、クーペのようななだらかな姿がいっそうわかりやすい。デザインの美しさに加え、優雅さも備えた高級車だ

 ドイツのアウディに、まったく新しい車種が加わった。アウディA7スポーツバックだ。クーペスタイルで、4ドア、そしてステーションワゴンのようなリアハッチバックの構成で、スポーティーな格好よさと、セダンのような乗り心地、そしてステーションワゴンのような荷室の利便性を併せ持った新車種である。

 似たような車種には、メルセデス・ベンツCLSや、ジャガーXFがあるが、アウディA7スポーツバックがそれらと異なるのは、トランク部分がリアウインドーごと開くハッチバックである点だ。

 日本に導入される車種は1車種のみ。そのエンジンは、排気量が3000ccのV6ガソリン直噴で、スーパーチャージャーの過給装置を装備する。スーパーチャージャーが、排気熱を利用して吸気を圧送するターボチャージャーと異なるのは、過給ポンプをエンジンの力で回すところだ。ドライバーのアクセル操作に即座に応答し、過給する利点がある。

 トランスミッションは、7速のSトロニックと呼ばれる、クラッチを奇数段と偶数段それぞれに持ち、互い違いに断続を行うことで素早いギアチェンジをする方式である。また、クワトロと呼ばれるアウディの4輪駆動方式を採用している。

 ガソリン直噴エンジン、Sトロニック、そしてクワトロと、アウディが特徴とする技術のすべてを採用したクルマがA7だ。そして車体にも、アウディが得意とするアルミの技術が使われている。それは、アウディの最上級車種であるA8のように、車体すべてをアルミにしたものではないが、鋼板とアルミを巧みに併用し、車体全長が5メートル近く、全幅も1.9メートルを超える大柄な車体を、軽やかに走らせるのに一役買っている。

クワトロがもたらす軽快感

 車高が低く、クーペのようになだらかなスタイルにもよるのだろうが、一見したところ、アウディA7スポーツバックはかなり大柄なクルマに見える。そして車両重量は1.9トンもある。

 だが、いざ走り出してみると、そうした大柄な車体であることを忘れさせるほど軽やかに駆けることに驚かされる。発進加速だけでなく、カーブを曲がるときも実に身軽だ。その軽快さで、運転が楽しく感じられる。

 クワトロによる4輪駆動の前後タイヤへの駆動力の配分に加え、個別にブレーキを働かせることで4つのタイヤが無駄なく路面を蹴る仕組みが採り入れられ、カーブでの軽快な運転感覚がもたらされている。

 タイヤは、1.9トンの重量と、最高300馬力というエンジン性能を支えるため、非常に扁平で太いサイズが装着されている、クルマを横から見ると、タイヤを組み込むアルミホイールしか目立たないほど、薄く見えるタイヤだ。それでも、ゴツゴツとした乗り心地にならず、驚くべき快適さをもたらしている。

高性能を気軽に楽しむ高級車

 屋根が低く、室内は狭くなるのではないかと思うが、実際に乗ってみると、後席でさえ身長167センチの私の髪が天井に触れないほどのゆとりがある。また、座席の寸法が十分にあり、きちんと腰かけられるので、座り心地がとてもいい。

 この快適な座り心地は運転席も同じで、まるで私の体の線にそって座席や背もたれが形作られたのではないかと思うほどぴったり合う。大人4人が乗る上で、真に快適な空間がそこにある。

 アウディA8もそうであったが、新しいアウディA7スポーツバックも、ドイツ車とい言うイメージの一つの、ゴツイとか頑丈さとか、そうした剛健さをあまり感じさせない、洗練された印象を与える走行感覚に仕立てられている。

 生真面目なドイツのクルマ作りを好みつつも、従来と違った、肩の力が抜ける心地よさを求めるなら、アウディA7スポーツバックは高性能を気軽に楽しめる高級車といえる。

http://www.audi.co.jp/jp/brand/ja/models/a7/a7_sportback.html

(読売新聞)


コメントは受け付けていません。


Go Top