2009/03/01

インプレッション Vol.280 ダッジ JC

SUV+ミニバン+セダン良いとこ取り

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ダッジ JC

 アメリカのクライスラーブランドの一つ、ダッジから、トリプル・
クロスオーバーと位置づけられた3列シート車が誕生した。
 
トリプル・クロスオーバーとは、SUV(スポーツ用多目的車)+
ミニバン+セダンそれぞれの、良いとこ取りをしたクルマという
ことであるそうだ。

写真で最初に見たとき、車高の高いSUVのようなゴツイ印象を
受けたが、実際にクルマを見るとそれほど大柄でもなく、日本の
道にも不自由しないだろうと思った。

また、床下と路面との間が20センチ近いゆとりを持つにもかかわ
らず、車高もそれほど高くなく、乗り降りの不便もなかった。

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2,700ccのV6エンジン

 室内は、3列シートで、2~3列目にもそれぞれ座ってみたが、
適度な広さが保たれており、窮屈さは覚えない。

ただ、2列目への乗り降りの際に、ドアの支柱であるピラーにひ
ざをぶつけた。室内の広さとは別に、車体骨格とシート配置との
関係に若干無理があるようだ。

また、3列目では床がやや高いので、少しひざを抱える姿勢にな
るのはやむをえないところだ。

3列目への乗り降りに際しては、2列目シートを前へスライドさ
せるが、このとき、背もたれを前へ倒し込むと座面も跳ね上がり、
3列目へ乗り降りするための隙間が大きく開けられる。

これはとても良いシートスライドのさせ方だと思った。

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大きな隙間で3列目への乗り降りも快適

 エンジンは、2,700ccのV6で、これに6速のオートマチッ
クトランスミッションが組み合わされる。

7人乗車の場合を意識し、とくに発進用の1速ギアを低速側
に設定しているため、発進から速度をのせていくまでエンジン
の力に不満を覚えることはなかった。

また、6速ギアまでの変速は、何段階進んだのか気付かない
ほどショックのない滑らかな制御がなされている。
 
さらに印象的なのは、室内の静粛性だ。タイヤ騒音も風切り音
もまず気付くことはないだろう。

高速道路も走ったが、100km/hで走行中も80km/hほどでは
ないかと錯覚するほど、快適な室内が保たれる。

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2列目シートには床下収納も

 運転感覚は非常に安定感があり、安心して走らせることができる。
シートはしっかりとした座り心地で、身体を確かに支えてくれ、それ
でいて大きすぎないので、女性にも運転しやすいシートになっている
と思う。

逆に、大柄なアメリカ人はこのシートで身体がはみ出さないのだろうか? 
と心配するほどだ。
 シートアレンジは、簡単な操作で変化が可能で、また、2列目シート
の床下に収納があったり、助手席の座面を前方へ持ち上げると物入
れがあったり、まるで日本の軽自動車の使い勝手を見るように細やか
な心配りがある。

 アメリカ車という、昔からある大雑把で大きなクルマで燃費も悪いと
いった既成概念を根底から払拭するような、家族のための安心のミニ
バンといった姿があった。

 ぜひ一度、乗ってみて欲しい、そういえる良品である。

                             (読売新聞)


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