2009/08/27

フォルクスワーゲン監査役会、ポルシェとの統合自動車グループ設立に向けた基本合意を承認


  • 当事者による基本合意が成立:段階的手続きにより2011年に経営統合の予定
  • フォルクスワーゲンの堅実な財務基盤を維持、ポルシェの独立性は維持
  • 雇用を確保しつつ、高い成長率、収益性、相乗効果を目指す
  • ヴィンターコルン会長:ポルシェと共に世界ナンバー1を目指す

ウォルフスブルグ 2009年8月13日
8月13日に開催されたフォルクスワーゲンAGの臨時監査役会において、
フォルクスワーゲン主導によるポルシェとの統合自動車グループ設立に
関する基本合意が承認されました。この合意に向け、フォルクスワーゲン
AG、ポルシェ オートモービルホールディングSEに加え、ポルシェおよび
ピエヒ一族ならびに関係企業の従業員代表との間で交渉が行われました。

ポルシェ オートモービルホールディングSEの監査役会も同日、両社の経
営統合を承認しています。今回の基本合意によって、強力な10のブランド
からなる自動車グループが誕生することになります。

今回の合意により、フォルクスワーゲンは、ポルシェAG株式の42%を2009
年末までに取得するとともに、ポルシェおよびピエヒ一族は、現有する自動
車販売会社であるポルシェ ホールディングザルツブルクをフォルクスワーゲン
に売却する方針です。

最終的には、ポルシェSEはフォルクスワーゲンと完全に合併することになり
ます。合併は2011年中に完了する見込みで、そのためには両社の株主に
よる承認が必要です。

合併後も、ポルシェはシュトゥットガルトに本拠地を置く独立した企業として
存続します。合併実施の詳細は、数週間以内に最終決定される予定です。
同時に、ポルシェが保有するフォルクスワーゲン株の購入オプションをカター
ル首長国が購入する交渉は引き続き行われ、経営統合後の全体的な構想
についてポルシェに資金提供している銀行との話し合いが開始される予定
です。

これら一連の調整が成功裏に完了することが、統合グループを設立する上
で、将来的に重要なステップとなります。また、合意を実行するためには、
関連当局の承認がなければなりません。

フォルクスワーゲンAG会長Dr. マルティンヴィンターコルンは、次のように述
べています。「本日、フォルクスワーゲンとポルシェは、将来の経営統合に向
けて極めて重要なステップを踏み出しました。これによって、10の強力な独立
ブランドで構成されるグループは、世界市場における地位がさらに強化される
でしょう。フォルクスワーゲンにとってはこれまで以上に、世界ナンバー1になる
ための条件が整いました。フォルクスワーゲンは、ポルシェと経営統合すること
で、これまでに成功を収めてきたマルチブランド戦略を系統的に継続していきま
す。ポルシェにとっては、統合グループ傘下に加わることで、新たな成長の可能
性が創出されるでしょう。我々は、今回の建設的な話し合いを経て、全当事者の
利益が反映された方法について合意することができました。この統合により、最
高の自動車がお客様に提供され、雇用が確保され、株主の皆様に対する長期
的な価値が創出されると、私は確信しております。」

財務上有利で、戦略上の理屈にも合い、社会的責任を果たせる統合グループ

フォルクスワーゲンとポルシェの経営統合により、車両販売台数約640万台、
従業員数40万人以上の統合自動車グループが誕生します。統合後の主な財
務諸表数値は、健全な収益性および今後予想されるポルシェ ラインアップの
拡大によって、継続的に改善されるでしょう。

フォルクスワーゲン率いる10の強力なブランドを擁する統合グループの創出は、
資本論理上も説得力があります。ポルシェAGならびに自動車販売会社である
ポルシェ ホールディングザルツブルクとの経営統合により、フォルクスワーゲン
は、世界有数のマルチブランドグループという位置付けをさらに強化することが
できます。統合グループは、世界市場における存在感、セグメントカバー率、技
術力および革新性、グローバルな購買力、生産拠点という点に関して主導的な
立場を保持するでしょう。統合グループは、優秀なモジュラーシステム、確固た
る財務基盤、効率的な経営、スキルの高い従業員による魅了的な成長シナリオ
を提供します。

ポルシェが保有する卓越した技術力と独自の伝統は、フォルクスワーゲングルー
プ内のブランド価値をさらに高めます。統合グループが持つ幅広い製品ラインアッ
プは、ポルシェが加わることで、プレミアムセグメントにおける品揃えが大幅に強
化されることになります。また、バイザッハの開発センターが参画することにより、
グループの革新技術に関するリーダーシップも強化されます。さらに、高い収益性
を誇る自動車販売会社、ポルシェ ホールディング ザルツブルクを統合することで、
フォルクスワーゲングループの流通能力も大幅に引き上げられます。小売に関する
高い専門知識を持つポルシェ ホールディングザルツブルクは、東ヨーロッパ13カ国、
西ヨーロッパ5カ国に加え、中国にも拠点を持ち、現在でも既にフォルクスワーゲン
が市場で成功を収めるための重要なパートナーになっています。

統合グループにおけるポルシェの独立性は、フォルクスワーゲンの実績ある分散型
経営モデルに従って維持されます。アウディやその他の傘下ブランドと同様に、ポル
シェはその独立性を保ちながら、統合グループのメンバーとしてのメリットを享受する
ことになります。今回の基本合意の下、ポルシェはシュトゥットガルトに本社を置く独
立企業として、独自の企業構造を維持します。さらに、合併後は、ポルシェAGの従
業員代表は、フォルクスワーゲンAGの監査役会の選挙に参加することが可能にな
ります。

実績あるフォルクスワーゲンの経営モデルは、相乗効果を早期に最大化できるで
しょう。今回の統合は、長期的にグループの年間の営業利益を7億ユーロほど増加
させるでしょう。

今後、ポルシェのラインアップに追加されるモデルにより、販売台数は大幅に増える
でしょう。ヴィンターコルン会長は次のようにコメントしています。「我々は、持続可能な
成長の歴史に新たなページを加えたいと願っています。この合意は、ドイツ国内にお
ける高品質な自動車の製造を長期的に確保し、新たな雇用を創出するでしょう。」

今後の取引:公正な評価と堅実な資金供給

基本合意の下、複数の段階を経て、フォルクスワーゲンとポルシェを含む10の強力な
ブランドを擁する統合グループが2011年中に誕生します。フォルクスワーゲンAG財務
管理・経理担当取締役(CFO)ハンス ディーターペッチは、合意内容全般を評価して次
のように述べています。

「今回の合意では、公正な評価と非常に堅実な資金供給による安定した所有構造に
加え、スムーズな手続きを確実に実行するための条件が整っています。また、全当事
者の利益を反映させるとともに、フォルクスワーゲンの堅実な財務内容と良好な格付け
も維持しています。」

最初の段階では、ポルシェ オートモービルホールディングSEが、保有するフォルクスワ
ーゲン株購入オプションの大部分をカタール投資庁に売却することを計画しています。
既に具体的な局面まで進展しているこの話し合いが成功裏に終了することが、統合
自動車グループ誕生の重要なステップとなります。

カタールは、オプションを行使することで、フォルクスワーゲン第3位の大株主になります。

同時にポルシェは、より一層の財務安定に向けて現在合意済みの全体構想について、
貸出銀行によるサポートを模索し、新しい資金供給の構造に関してこれらの銀行と交
渉することになります。

これらの話し合いが成功裏に終了し、またカタール投資庁がオプションを購入すること
を条件に、フォルクスワーゲンはポルシェAG株式の42%を2009年末までに取得します。

実施された総合的な精査および評価プロセスに基づき、予想される相乗効果も考慮に
入れた結果、ポルシェAG全体の企業価値は124億ユーロと試算決定されました。

フォルクスワーゲンは、この金額を基にして、ポルシェの債務を考慮し、42%の株式を
取得するために最大で約33億ユーロを支出する見込みです。

ポルシェAGに出資した後も格付けを保持するために、フォルクスワーゲンは2010年上
半期に新規優先株の発行による増資を行います。監査役会は、この件の詳細を近日中
に決議する予定です。増資については、年末までに臨時株主総会を開催し、必要な株主
の承認を取り付ける手はずとなっています。

経営統合に関するその他の要素としては、一族が所有するポルシェ ホールディングザル
ツブルクの事業をフォルクスワーゲンに売却することが挙げられます。年間販売台数47万
4,000台、ヨーロッパ最大の自動車販売会社の企業価値は、 35億5,000万ユーロと
試算決定されました。事業の売却は、2011年以降に可能となります。本件に関しても、
ポルシェ ホールディングザルツブルクは、現在の企業構造ならびに独立した組織体として
の責任を維持し、一族のメンバーは会社の役員に留まります。

一族は、ポルシェ ホールディングザルツブルクの事業の売却金額の大部分を、ポルシェ
SEの資本金の増加に費やす予定です。この増資は、ポルシェSEの財務内容をより一層
改善することを目指し、フォルクスワーゲンとの合併が完了する前に行われます。
資本金の増資に加え、ポルシェSEが優先株も新たに発行する予定です。

その後、両社の経営統合の最終段階として、財務的に安定したポルシェSEとフォルクス
ワーゲンが合併します。これに際しては、両社の株主総会による承認が必要です。

時間的目標は、2011年中に合併を完了させることです。

合併後の正確な株主構成は、まだ確定していませんが、これについては、両社の増資
規模、キャッシュフローおよび流動資金または債務状況、ならびにフォルクスワーゲン
およびポルシェSEが合併する際の合併比率によって変わってきます。

しかし、将来的にポルシェおよびピエヒ一族はフォルクスワーゲンの筆頭株主に留まり、
ニーダーザクセン州政府は引き続き第2位の株主になるでしょう。

基本合意によると、ニーダーザクセン州に関する条項は、合併後フォルクスワーゲンの
定款に明記されます。これにより、ニーダーザクセン州政府には、2名の監査役会メン
バーを選任する権利が与えられると予想されます。現存する拒否権条項は継続され、
フォルクスワーゲンの年次総会における重要な決定には、株式資本の80%以上の特定
多数による賛成が必要となります。

また、統合自動車グループの世界中の従業員に対して、大規模な投資機会が与えられ
る予定です。この従業員参加モデルは、フォルクスワーゲンAGおよびポルシェAGのグル
ープ従業員協議会により設立される従業員基金を通じて実施されます。

                                       (フォルクスワーゲン)


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