2010/01/11
アウディ ジャパン、2010年の戦略会見
1月7日、アウディ ジャパンによる年始恒例のプレスカンファレンスが
行われた。
2009年も経済危機は自動車業界を直撃し、輸入車業界もその
例外ではなかった。
アウディが発表したデータによれば、輸入車全体では2008年は
対前年比で16%、2009年は20%(1-11月値)販売台数が減少
しているという。
一方、アウディジャパンは09年、1-11月の数字では前年比0%、
1-12月までの数字を取れば1%+と、逆に登録台数を伸ばして
いるから、同社が活気付くのも理解できる。
さらに輸入車シェアにおいては10%とはじめて二桁台の数値に乗せ、
16171台という登録台数も、アウディ ジャパン創立以来最高値となった。
これはプレミアムブランドのシェア比較で見ても顕著で、BMWと
メルセデスが07年を境にシェアを急速に落としているのに対し、
微増を保ったアウディは、結果的に急速にその台数ギャップを
接近させている。
もちろん、前出の2社のシェアが30%をわずかに割る数値なのに対し、
アウディは現在16.1%という数値ではあるが。
ライバルメーカー不調の中でのアウディの成長維持に対し、社長の
ドミニク・ベッシュは環境対応モデルが輸入車中最多、アウディという
ブランドの認知度が上がった、販売店舗数が充実しつつある
(現在103店舗)などの複合効果を挙げた。
特に環境モデルについては環境に優れた22モデルに設定した独自
サポートの「アウディ エコ フレンドリー サポート」や、うち17台が政府の
補助金対象となる2010年度燃費基準達成車であったことが効果的
だったという。
また、2010年のプレミアムブランド市場は、ベース維持で5%成長、
楽観シナリオで10%成長と予想する。
こうした結果から、アウディは2010年も基本的には09年の戦略を
維持。その三本柱とは、
●ブランドイメージを際立たせる、
●メトロポリタンストラテジーに焦点を当てたディーラーネットワーク
の構築、
●オーナーシップエクスペリエンスと顧客満足度の向上だ。
アウディ ジャパンの2010年度導入予定ニューモデルは7台。
そのうちA5スポーツバック、R8スパイダー、S5カブリオレ、TT RS、
さらにはアウディの環境イメージリーダーとなるQ7 TDI
(ウルトラクリーンディーゼル)が公表されている。
会場となった表参道のアウディフォーラムはショーアップされ、
R8のASFフレームが展示されるなど、アウディとVWはブランド演出が
上手い。
縮小する日本市場にあって、こうした元気な姿をアピールすることは、
国内メーカーにこそ必要ではないかとも思った。
(カービュー)