2010/03/15
メルセデスAMG、571psツインターボ開発…アイドリングストップで燃費25%向上
メルセデスベンツの高性能車開発部門、AMGは新開発の
直噴5.5リットルV型8気筒ツインターボエンジンを発表した。
最大出力571ps、最大トルク91.8kgmという圧倒的パワーを
備えながら、アイドリングストップなどにより、燃費は25%改善。
『S63AMG』に搭載されて、9月にデビューを飾る。
新V型8気筒エンジンは、現行AMG車の「63シリーズ」に広く
採用されている6208cc・V型8気筒NAエンジンの後継機種と
して開発された。
M157型と呼ばれるスプレーガイデッド方式の直噴エンジンは、
排気量が5461cc。2個のターボチャージャーを備えるとともに、
ピエゾインジェクターやAMG初のアイドリングストップなどに
よって、環境性能を追求した。
エンジンはオールアルミ製で、単体重量は204kgに抑えられる。
新エンジンは、S63AMG(排気量は5.5リットルだが、
性能は現行S63AMGを上回るため、グレード名は不変)に
先行搭載されるが、その最大出力は544ps/5500rpm、
最大トルクは81.6kgm/2000 – 4500rpmとパワフルそのもの。
現行S63比で、19ps、17.4kgmパワーアップしている。
トランスミッションは、7速2ペダルMTの
「AMGスピードシフトMCT-7」。
新しいS63AMGは、0-100km/h加速4.5秒、
最高速250km/h(リミッター作動)という一級の
パフォーマンスを発揮する。
それでいて、欧州複合モード燃費は9.52km/リットル、
CO2排出量246g/kmと、現行S63比でそれぞれ
25%、28.5%の改善を果たした。
AMGはさらなる高性能を求める顧客に向けて、
「AMGパフォーマンスパッケージ」を用意。
ターボのブースト圧を1.0バールから1.3バールに引き上げる
などの専用チューンを受け、最大出力は571ps/5500rpm、
最大トルクは91.8kgm/2500 – 3750rpmと、
圧倒的スペックを獲得する。
571psの最大出力はフラッグシップスポーツ、
『SLS AMG』と同数値だ。
AMGパフォーマンスパッケージ仕様のS63AMGは、
0 – 100km/h加速4.4秒、最高速300km/h(リミッター作動)と、
スーパーカーの領域に足を踏み入れる。
それでいて、欧州複合モード燃費は9.52km/リットル、
CO2排出量246g/kmと、標準エンジンと同一だ。
新エンジンは従来どおり、AMGの「one man ,one engine」の
思想に従って、ひとりのエンジニアが完成までの全工程を
担当する。
AMGは、S63AMGのプロトタイプを披露。
赤いボディカラーは、1971年にベルギーで開催された
24時間耐久レース、「スパ・フランコルシャン」で、
初出場ながら2位という快挙を成し遂げた
『300SEL 6.8AMG』のオマージュだ。
同車の活躍によって、メルセデスベンツのチューナー、
AMGの名前は一気に広まった。
新エンジンはS63AMGに先行搭載され、9月に欧州発売。
AMGは「AMGパフォーマンス2015」と題して、
動力性能と環境性能の両立をさらに追求していく姿勢を
鮮明にしている。
(カービュー)