2010/10/18
ベスト燃費は18.4km/L 最新3シリーズの衝撃(1/4)
3シリーズ全車の燃費が向上
320iの直4エンジンでは、燃料を最大200気圧まで加圧
する直噴システムとリーンバーン・テクノロジー(希薄燃焼)
を採用した。リーンバーンは定速巡航時などで高出力が
不要なとき、燃料が極めて薄い混合気を燃焼させることで
燃費を向上させる技術だ。この結果320iセダンは156ps
/20.4kg-m⇒170ps/21.4kg-mへと出力アップしながら、
燃費も6ATで12.0km/L⇒15.2km/L、6MTでは12.8km
/L⇒18.4km/Lへと飛躍的に向上させている(10・15モード)。
325iの直6エンジンでも、直噴システムやリーンバーン・
テクノロジーを採用。またクランクケースの一部に超軽量
マグネシウム合金を採用することで、エンジン単体の軽
量化も図っている。燃費は9.3km/L⇒12.6km/Lへと
向上(10・15モード)。ブレーキエネルギー回生システム
は全3シリーズに、アイドリングストップ機構は320iの
6MTとM3全車に標準で備わる(写真は320iセダン)。
BMWが突如発表した新たなエンジンラインナップは、
自動車業界にかなりの衝撃を与えた。
特に衝撃的だったのは3シリーズの主力モデルである
「320i」で、発表されたリリースに記された10・15モード
燃費値はなんと18.4km/L。
この数字は当然、同クラスのライバルに圧倒的な差を
付けるものだった。
トランスミッションが6速MTの値とはいえ、
その数値には相当のインパクトがあったことに間違いはなく、
我々ジャーナリストの間でもかなり話題に上がった。
というのも新たなエンジンラインナップが発表される前までは、
ライバルの直噴+過給という手法に対し、
3シリーズは果たしてどんなソリューションで対応するのか?
が実に興味深かったからだ。
もっともライバルが新たな直噴+過給ユニットの搭載によって、
約11~13km/Lあたりの数値を実現していた時から、
3シリーズは従来のパワーユニットで12~12.8km/Lと
ほぼ同じ数値を達成していただけに、
どんな方法で、どれだけの数値を実現するかに注目が
集まっていた。
そうした背景の中でついに発表された新エンジン
ラインナップは、まさにBMWらしいものだった。
もはや現代のガソリン・エンジンとしては必須項目
ともいえる直噴化や、以前から用いている可変バルブ
制御(バルブトロニック)を採用したのはもちろんだが、
リーンバーンを採用するなどし、
NAのままより一層の高効率化を図った。
またパワーユニットだけではなく、
電動パワーステアリングやブレーキエネルギー回生システム、
アイドリングストップ機構(MT車)の採用など、
技術を細かに積み上げて燃費の向上が図られている。
そこには、従来からのBMWの「駆け抜ける歓び」を
決して犠牲にすることなく低燃費を実現する
「EfficientDynamics」の思想が徹底されていたわけだ。
またこの結果、
10モデルが補助金対象車になったのだった。
(カービュー)