2010/10/19
ベスト燃費は18.4km/L 最新3シリーズの衝撃(2/4)
直噴+リーンバーンを採用
BMWの「Efficient Dynamics(エフィシェント・ダイナミクス)」
とMINIの「MINIMALISM(ミニマリズム)」は、
“駆けぬける歓び”あるいは“ゴーカートフィール”といった
走りの愉しさを失わずに、環境性能との折り合いを上手に
図っていこうとする未来への共通コンセプト。
今回の燃費向上は3シリーズだけではなく、
1シリーズやMINIの全モデルにまで及んでいる。
BMWでは、早くから全モデルのランフラットタイヤ化を
進めていた。ランフラットタイヤ単体の重量はノーマルタイヤ
よりも重いが、スペアタイヤが不要になるのでボディ全体
での軽量化、ひいては燃費向上につながる。
また第三世代へ進化した現在のランフラットタイヤは、
ノーマルタイヤと遜色ないレベルまで乗り心地が洗練
されてきている。
今回まず試したのは大注目といえる18.4km/L(MT車)&
15.2km/L(AT車)を達成する2.0リッター直4・NAエンジン
「N43B20A」型だ。
新たに直噴/リーンバーンを採用したことで印象はどう
変わったか?
数値上では最高出力/最大トルクともにアップしている
わけだが、これは体感でもしっかりと感じ取れる。
以前のユニットに比べると若干ザラついた感覚こそ
あるものの、力感はきちんと増している。
それは普段使いの回転域での扱いやすさに表れ
ている。一方で踏み込んだ時には、
NAらしく爽快な感覚を持って7000rpmまでちゃんと
回っていくのだから驚く。
なぜならこうして踏んでいる時に、
高効率を狙ったエンジンというよりも従来通りの
スポーツマインドを感じさせる感触まで忘れて
いないからだ。
さらにこの新たなパワーユニットをMTで操ると、
とても心が軽くなる。
これまでのユニットではアクセルを浅く開けると
イマイチ感触が得にくかったが、
新エンジンは同様の操作でもしっかりと力が
出ている感触を得ることができる。
それだけにMTを駆使して矢継ぎ早に
シフトアップしていくエコラン的走りも気分よく行えるのだ。
そしてMTモデルの場合、
信号待ちではアイドリングストップを行う。
試乗時は猛暑だったが、
それでも想像以上の回数で割に多くアイドリング
ストップが行われた。
停止→再始動のフィーリングに関しても、
組み合わせるトランスミッションがMTであるがゆえに
クラッチ操作を介するため特に違和感はない。
他に操作系では電動パワーステリアリングを
採用したことで、これまでよりも操舵フィーリングが
ライトな感覚になった点も嬉しい。
といった具合でその走りは、
良い意味でライトで爽やかな感覚に溢れるものに
なっていたのだった。
そしてこの味こそ、
新たな時代のBMWの味といえる気がしたのだ。
(カービュー)