2010/10/20
ベスト燃費は18.4km/L 最新3シリーズの衝撃(3/4)
次世代テクノロジーをフル投入
335iに搭載される直6ターボでは、直噴システムに
バルブトロニック(無段階可変バルブ制御)が組み合わされ、
さらに従来までのツインターボがツインスクロールタイプの
シングルターボに換装された。結果として、従来と同じ
306ps/40.8kg-mを発生しながら、10・15モード燃費は
8.9km/Lから10.2km/Lに改善されている。
3シリーズクーペおよびカブリオレは、燃費向上と同時に
デザイン変更も実施。フロントではバンパーが“フィン”を
含む新デザインとなり、ヘッドライト上部には白いアクセント
ライン(眉)を追加している。またリヤのコンビネーション
ランプもデザインが変わり、ブレーキライトやターンシグナル
にもLEDを採用して省電力化を図っている
(改良前のフロント・リア)。
もちろん新たな時代の味だけでなく、
以前からの豊かな味わいもしっかりと残されている。
それが直列6気筒の「325i」だ。
「N53B30A」型ユニットは、NAのストレート6が持つ
素直な回転感とそれに由来する吹け上がりの気持ち
よさを存分に味合わせてくれる。
つまりそのフィーリングには、
以前から連綿と紡がれてきた“シルキー6”の伝統が
残されているわけだ。
そしてそんな姿に、
時代が変わり要求が変わってもなお、
本質的な魅力を残し続けようとする哲学が感じられるのだ。
もちろんそうしたこだわりだけでなく、
このエンジンも直噴/バルブトロニック/リーンバーンとなる他、
エンジン自体が軽量化されるなど新世代に相応しい対応が
なされていることも見逃せない部分だ。
今回はこれをツーリングに搭載したモデルに試乗したが、
実用性の高いモデルにこのエンジンの組み合わせは、
普段使いに潤いを与えてくれるものだと思えたのだった。
そしてさらに豊かさ、
という意味では既にフラッグシップ・ユニットとして
広く認知された感のある3.0リッター直6の直噴ターボ
である「N55B30A」型を忘れてはならない。
直噴/バルブトロニック/ツインスクロールターボと、
最近のトレンドで考えられうるほぼ全ての先進技術が
盛り込まれている。
このユニットは最高出力306ps/5800rpm、
最大トルク40.8kg-m/1200-5000rpmという
数字からも判るように、
必要十分以上といえるプラスαの動力性能を
提供し俊足を実現するのはもちろんだが、
それ以上に注目したいのは最大トルクの
発生回転数の低さからも伺い知れるV8級の
“ゆとり”と“余裕”。
ここに魅力がある。
3シリーズとの組み合わせでは、
このユニットの持つ豊かさが存分に発揮される。
ゆえにクーペやカブリオレといった、
存在自体に豊かさのあるボディとの組み合わせが
とても映えるのだ。
(カービュー)