2010/10/29
BMW 5シリーズ 試乗レポート(2/4)
美しく、使いやすく
リヤシートは40:20:40の3分割。大柄なボディに包まれ
ているだけに足元・頭上スペースともに余裕しゃくしゃくだ。
様々なライフスタイルに対応する広大なラゲッジルーム。
写真はオプションの「ラゲッジ・コンパートメント・パッケージ」
を装着しており、可動式カーゴレールや収納ネット、多機能
フックなどが備わる。また後席バックレストの角度調節も
最大11度まで可能になる。
とはいえ、新型5シリーズツーリングのカーゴスペースは
決して狭くはない。
容量はフル乗車時で560L。
後席を倒せば1670Lに拡大する。
さらに、オプションの「ラゲージ・コンパートメント・
パッケージ」をオーダーするとリクライニング角調整機構が
装着され、シートバックを通常位置を基準に7段階、
最大11度引き起こすことでプラス30Lの590Lになる。
それでもライバルであるメルセデス・ベンツ Eクラス
ステーションワゴンの655L/1920Lには及ばないが、
先代の500L/1615Lよりはかなり拡大している。
これだけあれば実用的にはまったく不足はないし、
ましてや美しいスタイリングとの引き替えだと思えば
十分に納得できるのではないだろうか。
600万円オーバーのステーションワゴンだけに、
カーゴルーム内の仕上げは完璧だ。
上質なカーペットがシワひとつなく張られ、
トリム類の整形にも手抜きはない。
加えてガスダンパーでスムースに開閉する大きな
サブトランク内には、標準で付くスキー&スノーボード
バッグが収納されている。
3分割式シートをレバーで開閉できるギミックに加え、
5シリーズツーリングの伝統であるガラスハッチも
便利なアイテムだ。
小さな荷物の積み下ろしには軽いガラスハッチを使い、
大きな荷物にはテールゲートと便利に使い分けできる。
ただし問題もある。
開けたガラスハッチを閉めるには少なくとも160cm程度の
身長が必要なのだ。
それより背の低い人はいったん開けてしまうとガラスハッチに
手が届かないので要注意である。
同様に、開口部の高いガラスハッチ経由だとフロアに
置いた荷物に手を伸ばすのに苦労するケースもありそうだ。
というわけで背の低い人は常にテールゲートを使うことに
なるが、傾斜が付いている分ヒンジが前方にあるため、
開閉時の後方への出っ張りが少なく、使い勝手は上々。
理想は、リモコンキーで操作できるオプションの
電動テールゲートを注文することだが、
手動でも開閉操作に不当な重さはない。
(カービュー)