2010/01/12
フォルクスワーゲン ゴルフ・ヴァリアント…軽快に走るステーションワゴン
燃費が改善、全車種がエコカー補助金の対象に
ヴァリアントはフォルクスワーゲン・ゴルフの
ステーションワゴン
今年4月に新型となったフォルクスワーゲン・ゴルフのステーションワゴンが、
このヴァリアントである。
ゴルフにステーションワゴンが加えられたのは3代目になってからで、
現在の6代目ゴルフまで4世代にわたってステーションワゴンが車種に
加えられている。
実は前型のゴルフ・ヴァリアントを紹介したのはわずか2年前のことであり、
新型ゴルフが、モデルチェンジ後早々にステーションワゴンを日本に導入
したことになる。
2年前に買ったばかりの人にとっては、やや肩透かしを食った印象を持つ
かもしれない。
それというのも、新型は燃費がより改善され、すべての車種でエコカー補助金の
対象にもなっているからだ。
3種類のエンジンを用意
DSGと呼ばれるトランスミッションの
機能の良さを改めて実感
機能的なダッシュボード
まず1,400ccエンジンにターボチャージャーを装備し、
これに7速DSGと呼ばれる二つのクラッチを備えたトランスミッションを
組み合わせたトレンドラインというグレード。
次に、同じく1,400ccエンジンだが、ターボチャージャーとスーパーチャージャー
という二つの過給機を装備し、7速DSGと組み合わされるコンフォートライン。
そして、2,000ccエンジンにターボチャージャーを装備し、
6速DSGを組み合わせたスポーツラインである。
今回、私が試乗をしたのは、もっともエンジン性能の低いトレンドラインであった。
とはいえ、これ以上のエンジン性能が本当に必要なのだろうかと思うほど、
軽快に走った。
大人数で頻繁に、また荷物も満載して出掛ける機会が多いのであれば、
より高性能エンジンが威力を発揮することになるだろうが、日常的には
1~2人で乗ることがほとんどといった利用であれば、エンジン性能は
トレンドラインで十分だ。
しかも、燃費性能も16.8km/Lともっとも優れる。
機能の良さを実感したDSG
神奈川県・箱根の一般道を運転しながら、改めて、フォルクスワーゲンがDSGと
呼ぶトランスミッションの機能の良さを実感した。
上り下りを繰り返す山あいの屈曲路で、常に速度に最適なギアが選択されるため、
たとえば下り坂では適度にエンジンブレーキを利かせられるので、
フットブレーキを踏み過ぎてしまうことがない。
長い下り坂ではエンジンブレーキを積極的に利用しましょうとはよく言われることだが、
現実にはフットブレーキに頼った運転をする人が多い。
だが、フォルクスワーゲンのDSGなら、ドライバーがあえてシフトダウンしなくても、
適切なギア選択が常に行われるため、エンジンブレーキを生かしてフットブレーキの
負担を軽減してくれる。
これは、フットブレーキを使いすぎて過熱させ、利きを低下させる懸念も少なくなり、
安全走行に役立つ。
同時に、加速後の定速走行に移ると、常に燃費を良くするギア選択が行われる。
しかも、これらの変速は乗員がほとんど気付かないほどショックもなく行われるので、
快適さが損なわれることもない。
乗員が多かったり、荷物をたくさん積んだりする機会の多くなるであろう
ステーションワゴンにとって、これほど安全で、しかも燃費を上手に向上させながら
走行してくれるトランスミッションは、実にありがたいはずだ。
3車種とも車両価格に、3年間メンテナンス費用が無償となるサービスが
組み込まれている。
新型ゴルフ・ヴァリアントに乗る、あるいは乗り換える利点は多そうだ。
(読売新聞)