2010/04/14

SLS AMGのレーシングバージョンが登場











 独メルセデス・ベンツは、スーパースポーツカーの”SLS AMG”を
ベースに、FIA-GT3レギュレーションに合致するモディファイを施した
レーシングカー”SLS AMG GT3”を発表した。

 サーキットでのパフォーマンス向上を目的に、見るからにレーシーな
アピアランスが与えられたSLS AMG GT3は、カーボンファイバーを
メインコンポーネンツとした軽量ボディを採用。

空力性能も同時に追求されていて、エクステリアではフロントエプロン
に大口径のエアインテーク、リアには大型のウイングとともに
ディフューザーが装着されている。

 オリジナルよりワイドな全幅1990mmとされたボディには
50mmも幅広のタイヤが装着可能となり、サイドスカートには
リアブレーキ冷却用のエアインテークも備わっている。

 エンジンはレギュレーションによりノーマルと同様。

とはいえ軽量化されたボディのおかげで、0-100km/h加速は
3.8秒、ファイナルギアレシオを変更したことにより、最高速は
300km/hを超えるという。

 一方でトランスミッションはレース用の6速シーケンシャルへと換装。

トランスアクスルのレイアウトはオリジナルと同様だが、
プロペラシャフトにはDTMのCクラスレーシングカーと同じ、
カーボン製へと変更されている。

 またコックピットには、カーボン製のセンタートンネルをはじめ、
フルバケットシートやレーシングメーター、そして安全装備で
あるロールケージなどノーマルの面影がまったくないといって
いいほどに大きく手が加えられている。

 このSLS AMG GT3は現在開発作業が続いており、
2010年秋までにオーダーすれば2011シーズンの開幕に
間にあうという。

 GT3の代名詞的存在であるポルシェ911GT3をはじめ、
フェラーリ430スクーデリアやシボレーコルベットZ06、
アストンマーティンDBRS9やバイパーといったルマンでの
常連組、そしてフォードGTやアウディR8、アルピナB6や
ランボルギーニガヤルドなどの新興勢力組、さらには
ジャガーXKR-Sやモーガンのような英国勢など、
多彩なマシンによって激しい戦いが繰り広げられている
FIA-GT3カテゴリー。

 先ごろこれにBMWニュー Z4が加わることがアナウンスされた
ばかりだが、SLS AMG GT3という新たな使者が登場することで、
メーカー同士のプライドをかけた戦いが熾烈を極めることは必至。

今後一層の盛り上がりを見せることは間違いないだろう。

                           (朝日新聞)


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