2010/02/05
メルセデス・ベンツ TecDay Eドライブ 試乗レポート(2/4)
リチウムイオン電池か、水素燃料電池か?
EV(電気自動車)の基本要素であるバッテリーとモーターは、
燃料電池車やハイブリッドカーにもある。
EVが電力を外部(家庭用の100Vや200V電源や、急速
充電器など)からチャージするのに対して、燃料電池車や
ハイブリッドは発電システムをクルマ自体に搭載する。
また、プラグインハイブリッド車では、EVのように外部からも
電力をチャージできる。
この2台を見るとクルマの電気駆動戦略が分かりやすい。
ポイントは駆動力を電気モーターで得ること。
そのエネルギー供給が、リチウムイオン電池によるか、
水素 燃料電池によるかの違いだ。
性能差は航続距離にでる。
スマートは約135km、メルセデスは約400km。
もっとも、電池容量や水素搭載量の増減で如何様にでもなるというのは
その通りだが、「パッケージング」としての実用性や妥当性を考えた上での
設計上、上記2台の比較は現実的で分かりやすい。
そして、いずれも走行中のエミッションはゼロ。
CO、HC、NOx、PMといったローカルエミッションだけでなく、CO2もゼロという、
エンジン車に対する圧倒的優位性を持つ。
電気自動車は「航続距離がエンジン車より短く、コストが高い」点が
実用化への壁だ。
エネルギー供給の仕組みを少し詳しく補足すると、リチウムイオン電池に
よるエネルギー供給とは、オフボード(車両の外)でなんらかの一次エネルギー
から発電された電気エネルギーをリチウムイオン電池という“電気エネルギー
貯蔵装置”に貯めて、走行に必要な分を取り出し走行する。
水素燃料電池からエネルギー供給される燃料電池車は、水素を搭載
(オンボード)して、走行に必要な電気エネルギーを、同じく車両に搭載
された燃料電池という“発電装置”で発電しながら走行する。
バッテリーに比べて搭載できるエネルギー量の関係で、
エンジン車と同じ感覚の航続距離を確保できる。
(カービュー)