2010/02/07

メルセデス・ベンツ TecDay Eドライブ 試乗レポート(4/4)


ベンツ|電気自動車|スマートed|燃料電池|リチウムイオンバッテリー

問題はコストと耐久性

ベンツ|電気自動車|スマートed|燃料電池|リチウムイオンバッテリー

キャビンフロア下に大型のリチウムイオンバッテリーを搭載
するスマートed。
最高出力は30kWだが、実用パワーの指標ともいえる最大
トルク120Nmは、ガソリンモデルの92Nmを大きく上回る。
i-MiEV(47kW/180Nm、1100kg)との比較では、854kg
のスマートedは馬力&トルク/重量を勘案すると、若干穏や
かな動力特性の持ち主と想像できる。


 そして、スマートed。もともと抜群のセンスとサイズで個人的にもシティー
コミューターとしてベストチョイスと考えているスマートだが、16.5kWhの
リチウムイオンバッテリーの搭載位置は車両中心の下部、電気モーターも
リアというパッケージングは重量増加のデメリットを感じさせない。

従って、車両のキビキビ感は損なわれるどころか、電気モーターの優れた
レスポンスでエンジン仕様よりも気持ちよい。

通常は20kWの最大出力とし、アクセルペダルのキックダウンでのみ最大
30kWとする制御手法は燃費(電費?)とドライバビリティを両立するのに
相応しい。

 また、BクラスFセル同様に、室内スペースに影響を及ぼさないパッケージング
にはクルマの大きさを考えると拍手を送りたくなる。

それでもきちんと135kmというNEDCモード電費による航続距離は確保されて
いるので、実用性も十分。

 モナコにはエンジン仕様のスマートがたくさん走っている。

街の雰囲気に溶け込み、素敵な存在感を出しているが、もし、ユーザーに
試乗をしてもらったら、圧倒的多数の人が購入意欲を駆り立てられるだろう。

もちろん“今”という時代背景もあるが、回転と同時に最大トルクが得られる
モーター特性と、ギア変速がないことで得られる、アクセルを踏んだ瞬間の
レスポンスは、繰り返しになるが気持ちよく、だれもが欲しがる特性だ。

その特性が海辺からすぐ丘陵地帯となるこのような街にはほんとにピッタリ
だから。

上りではストレスない期待どおりの力が得られ、下りでは回生エネルギーに
よる適度な減速感が得られ、スマートのドライビングファンを一層高めてくれる。

 以上のように2台とも、今回の試乗ではこれといった不満は感じられなかった。

それもそのはずで、これら2台(燃料電池車とバッテリー電気自動車)の不満と
して考えられる点は、コストと耐久性だからだ。

1時間にも満たない試乗会で耐久性の評価など出来る訳がないし、まだはっきり
とした価格がアナウンスされていない段階では、コメントできない。しかしながら、
これだけ完成度の高いクルマに載せられると、早く、市販レベルまで開発を進めて
欲しいと言わざるを得ない。

特にスマートedなどはエンジン車の2倍程度の価格帯なら、すぐにでも
一定量のシェアになると思われる。

モナコなどのような価値観をもつ街では、過半数を超えるのではないかと
思うくらいだ。

                                   (カービュー)


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