2010/09/23
ベントレー 新型 コンチネンタルGT 試乗レポート(3/4)
確実に引き上げられた動力性能
VWのトップレンジ・フェートン譲りのW12ユニットは
初代のものをベースにブラッシュアップ。
0-100km/h加速は0.2秒短縮の4.6秒、
最高速度は従来と変わらず318km/h。
E85はバイオエタノール燃料の一種で、
85%のエタノールに対して15%のガソリンを
混ぜた混合燃料。
通常のガソリン車では使用できないが、
圧縮比や点火タイミングの調整などを
施した対策エンジンで使用可能となる。
ベントレーは2009年発表の
コンチネンタル・スーパースポーツから
対応エンジンを導入している。
ナビはグーグルマップ対応(仕向け地による)の
タッチスクリーン式インフォテイメントシステムを搭載。
エアコンの操作パネル類なども含めどことなく
VWファミリーのイメージが重なる。
ハイライトのひとつが軽量化だ。
前後サスペンションは完全新設計。
フロントには軽量鍛造アルミ製アップライトが使われ、
リアはサブフレームまで含めてすべてアルミ製と
されている。
これによって実現したのは車重の65kg軽減。
元が約2.4トンもあるだけに劇的とは言えないが、
重くなって当然という従来のあり方とは一線を
画するものになったことは確かだろう。
6リッターW12ツインターボのパワーユニットは、
点火時期やバルブタイミング、
燃料ミクスチャーなどのファインチューニングによって
最高出力が560psから575psに、
最大トルクが650Nmから700Nmに引き上げられた。
一方で、燃費は3~5%向上しており、
燃料はE85対応となった。
Well to Wheelで見ると、
E85を使えばCO2排出量は実に120g/kmと
いうことになる。
6速ATは変速を50%短縮の200ミリ秒でこなし、
ダブルダウンシフトにも対応するスーパースポーツ
ゆずりのクイックシフトを採用。
ちなみにZF製のATにはすでに8速版もあるが、
この高回転+大トルクエンジンには、
さすが対応しないそうだ。
駆動方式は従来通りトルセン式のフルタイム4WDだが、
基本前後駆動力配分は50:50から40:60へと
リア寄りに改められている。
またESPにノーマルとオフの中間のスポーツモードが
加わったのもトピック。
GTスピード~スーパースポーツで培った
ドライビングダイナミクスへのこだわりが
従来以上に強く反映されている。
一方で快適性の向上にも余念はない。
ホイールアーチ内のライナー、エンジンカバー、
各部シールには吸音素材が使われ、
フロントとサイドのウインドウもやはり吸音ガラス化
することでロードノイズと風切り音を低減。
140km/h走行時のドライバー耳元の
騒音レベルは11%も低下されているという。
軽量化、出力向上、
新しいワイドトレッドを実現するサスペンションに、
スーパースポーツで培われた技術の活用によって、
新型コンチネンタルGTはその動力性能を確実に
引き上げている。
一方、燃費向上技術の面では新機軸は多くない。
イメージ的にもアイドリングストップシステムくらい
あるべきではと思ったが、
ベントレーではそれは考慮していないようだ。
いや、当然彼らも何も考えていないわけではない。
実はそうした小改良ではなく、
コンチネンタルGTに新しい、
画期的なタマを仕込もうとしているのだ。
それについては最後に触れることにしよう。
(カービュー)
関連URL : http://www.bentleymotors.jp/Corporate/default.aspx