2010/10/31
BMW 5シリーズ 試乗レポート(4/4)
円高還元セール中!?
ノーマル・スポーツ・スポーツプラスという3段階の走りが
選べる「ダイナミック・ドライビング・コントロール」は、
5シリーズ全車に標準装備。
シフト横のスイッチを押すだけで、エンジンレスポンスや
トランスミッションのシフトタイミング、パワステのアシスト量
などが変化する。
カップホルダー手前にはスマートキー専用の置き場がある。
BMWでは以前からスタイリッシュな細部にこだわり、
他にもフィン型のルーフアンテナやルームミラーに内蔵される
ETC車載器などを採用してきた。
試乗したのは、他グレードよりもひとあし先に導入された
523iツーリング。
2.5リッター直6はセダンにも搭載されているが、
ツーリングはワゴン化に伴うボディの補強などにより
110kgも重くなっている。
しかし、下からしっかりとしたトルクを出すエンジンと
よく躾けられた8速ATは、1.9トン近いボディをなかなか
軽快に走らせる。
もちろん535iのような圧倒的な加速は望めないが、
快音を奏でつつトップエンドまで滑らかに気持ちよく回る
エンジンをめいっぱい使い切るドライビングには、
高性能モデルにはない楽しさがある。
正直、スポーティというにはいささかボディが大型化
しすぎた感もあるが、実際に走らせてみると、
そこには紛れもないBMW流のスポーティが存在する
ことを実感できるのだ。
フットワークの仕上がりも素晴らしい。
走り出した瞬間に、シルクのような滑らかな乗り心地に
ハッとさせられ、速度を上げていけば次第にフラット感を
増す巧みなボディコントロールに感心させられる。
路面がうねったり、荒れてたりしても、煽られたり、
ちょろちょろしたせわしない動きがまったくなく、
どっしりと腰を据えた安定を保つ様は感動的ですらある。
首都高の継ぎ目のような日本特有の路面も、
タタンッと軽やかにパスしていく。
ランフラットタイヤの悪癖はすっかりなくなったようだ…
と思いつつブレーキをかけ荷重がフロントに乗った状態で
継ぎ目を通過したら、ガツンという直接的なショックが
伝わってきた。
このあたりは、ランフラットタイヤに残された最後の
課題のようだ。
低速域ではクイックに、速度が上がるにしたがって
マイルドな効きになるアクティブステアリングは、
ワインディングロードでの楽しさはもちろんのこと、
街中でのキビキビした動きにも大きく貢献している。
最初はクイックな特性に戸惑うこともあるだろうが、
慣れてしまえば問題なし。
いまや3m近いホイールベースをもつに至った
5シリーズツーリングだが、アクティブステアリングの
おかげで、四つ角や自走式立体駐車場のループなど
での取り回しはとても軽快だ。
この上なく上質で快適で運転が楽しいスポーティな
ステーションワゴン。
523iツーリングとはそんなクルマだ。
この内容で先代525iツーリングに対し
35万円安くなったのも朗報である。
(カービュー)