2011/02/07

ミニ クロスオーバー 試乗レポート(3/4)



微妙に異なる運転感覚


クロスオーバーのコックピット。
ダッシュ上面のシボがメーター正面にも回りこみ、
センターメータとエアアウトレットの高さが違うなど
微妙な差はあるものの、
個々の構成要素はほぼ変わらない。
サイドブレーキは手前に見えている逆L字型のレバー。
写真はクーパーのもので、シート生地も標準のクロス張り。


同じクーパーのリアシート。
4名乗りが標準だが、
5名乗りのベンチシートも全グレードに無償オプションで
設定されている。
シート中央を隔てるアルミのセンター・レール・システムに
カップホルダーが固定されているが、
他にもセンターアームレストやメガネ・ケースや
iPodホルダーなど様々なアメニティを用意&開発中とのこと。
ライト・パッケージを選ぶとこのレール自体が照明で
コーディネートされる。
さらに、レール自体に電源が来ているので扇風機や
イルミネーション系のグッズもコードレスで装着可能。
サードパーティの参入でさらに広がりそうだ。


 特徴的なセンターレールが目につくキャビンは、
後席も左右が独立した4人乗りで、
リアシートとその周辺の空間はミニのなかで最も広い。

ドライバーズシートに収まった印象は、
メーターやコンソールが他のモデルと同じものを
使っているため、ミニに乗っているという実感が
たしかにあるが、僕のようなハッチバックや
クラブマンのユーザーは、
普段乗っているミニより明らかに高い着座位置に、
違いを嗅ぎ分けるはずである。

 今回はワンの試乗車はなく、
まずはクーパーのATに乗ったが、
乗る前に若干気に掛かっていたのはボディの重さだった。

クーパーのATで1360kgというクロスオーバーの車重は、
ハッチバックより200kg、クラブマンと比べても120kg
重くなっているから、1.6リッターNAのAT仕様で
パフォーマンスは充分なのか、という心配である。

 ところがそれは要らぬ心配だったことが、
走り出してみて分かった。

スペック上の数字より低い回転から有効なトルクを
生み出すバルブトロニック1.6リッターエンジンは、
軽く踏んでも望むとおりにボディを加速させるし、
首都高に入ってスロットルを全開にしたら、
想像していた以上の勢いでスピードを上げていった。

だから少なくとも1~2名乗車時には、
クーパー・クロスオーバーの動力性能に不足は
まったくないといえる。

 というわけでクロスオーバー、
パフォーマンスはミニらしい活発さを持っている
といえるが、ハンドリングに関していうと、
ハッチバックやクラブマンとは明らかに印象が異なる。

クラシックミニを含めて、
ミニはフロアの低さがもたらす低重心感が独特の
ゴーカートフィールを生み出す重要なファクターに
なっているが、クロスオーバーは違う。

SUVスタイルを実現するために高められた地上高と、
それに対応するためにストロークを稼いだサスペンションが、
ダイレクトなカート感覚を希薄にしているのだ。

クロスオーバーを評して、
乗ってみるとやっぱりミニだ、
という報告をよく目にするけれど、
普段ミニに乗っている僕からすると、
このドライビング感覚は他のミニと違う。

              (カービュー)

関連URL : http://www.minicrossover.jp/


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