2010/04/24

フェラーリ最速のロードカー、599GTO 誕生











フェラーリは8日、『599GTO』の概要を明らかにした。

レース専用車『599XX』のロードゴーイングバージョンで、
6.0リットルV型12気筒エンジン(670ps)を搭載。

0-100km/h加速は3.35秒、最高速は335km/h超と、
歴代フェラーリ市販車として、最速のパフォーマンスを誇る。

GTOとは、「Gran Turismo Omologata」の略で、
レース参戦用のホモロゲーション取得車を意味する。

フェラーリは1962年に『250GTO』、1984年に『288GTO』を
発表しており、フェラーリファンにとってGTOとは、特別な響き
を持つネーミングなのだ。

フェラーリ久々のGTOは、2009年3月のジュネーブモーター
ショーでデビューしたレース専用車、
599XXのロードゴーイングバージョン。

599XXは、『599GTBフィオラノ』(日本名:『599』)をベースに、
約30台を少量生産。

ワンメークレースという形を取りながら、そのノウハウが将来、
フェラーリが発売するニューモデルに生かされるという
新車開発プログラムの役割を担う。

599GTOは、この599XX用のエンジンを、ほぼそのまま移植。

6.0リットルV型12気筒エンジンには、専用クランクシャフト&
インテークなどが採用され、最大出力670ps/8250rpm、
最大トルク63.2kgm/6500rpmを引き出す。

599比では50psパワフル、
599XX比では30ps抑えられたスペックだ。

徹底した軽量化も施され、アルミやガラスの薄厚化、
コンポジット素材の導入などにより、車両重量1495kgを実現。

パワーウェイトレシオは、2.23kg/psと驚異的な数値をマークする。

トランスミッションは、専用開発の6速2ペダルMT「F1マチック」で、
変速スピードはわずか0.06秒。

この結果、599GTOは0-100km/h加速3.35秒、
最高速335km/h超という、歴代フェラーリ市販車最速の
パフォーマンスを達成する。

また、イタリア・フィオラノテストコースでのラップタイムは、1分24秒。

フェラーリ創業55周年記念車として、2002年に発売された
『エンツォ』よりも2秒速い。

このタイムもまた、歴代フェラーリ最速である。

F1のノウハウを応用したエアロダイナミクス性能の向上も、
599GTOの注目点。

バンパー、フロントスポイラー、ボンネット、ディフューザーなどを
専用品とし、アンダーフロアのフラット化も実施。

200km/h走行時に、144kgものダウンフォースを獲得する。

F1マシン同様の「ホイールドーナツ」は、空気の流れと
ブレーキ冷却性能を高めるテクノロジーだ。

足回りには、2世代目のカーボンセラミックブレーキを装備。

さらなる軽量化と性能向上が図られており、
ローター径はフロント398mm、リア360mm。

100km/hから車両停止までの制動距離は、
32.5mという強力なブレーキである。

さらに、第2世代の磁性流体を使った電子制御可変ダンパー、
「SCM2」や専用スプリング、大径リアスタビライザー、
専用VDC、最新のF1トラクションコントロールを採用。

タイヤはミシュラン製「スーパースポーツ」で、
サイズは前285/30ZR20、後ろ315/35ZR20。

アルミホイールも専用デザインだ。

インテリアは、カーボン製パドルシフト、
レザー&アルカンターラステアリング、
バケットシート、カーボンパネルを標準装備。

ステアリングホイールには、
VRE(バーチャル・レース・エンジニア)思想を導入した
パフォーマンスインフォメーションシステムが組み込まれる。

ルーフは、マットグレー塗装で仕上げられた。

599GTOは、23日に開幕する北京モーターショーで正式発表。

限定599台が生産される。

価格は公表されていないが、
欧州では26万7000ユーロ(約3330万円)程度と予想されている。

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