2009/06/07

【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】Eクラスと5シリーズをカタログスペックで比較


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◆ ハイパワー&軽量ボディがBMWの魅力

26日、メルセデス・ベンツの新型『Eクラス』が発表された。
EクラスはBMW『5シリーズ』とともに高級ドイツ車のイメージを
代表する車種であり、世界のマーケットでもライバルとして常に
比較されてきた。

新型Eクラスの登場を機会に、あらためて両車のスペックなど
比較してみたい。

まずはV型8気筒エンジンを搭載のメルセデス『E 550』と
BMW『550i』。総排気量は、BMW 550iが4798ccに対して、
E 550は5461cc。最高出力は550iが367ps/6300rpmに
対し、E550が387ps/6000rpmとなっている。

最大トルクを比較してみよう。550iは490Nm/3400rpmで
E 550は530Nm/2800rpmだ。

スペックだけの比較だが、排気量の大きいE 550が馬力も
トルクも上回っているが、数値的には拮抗しているといって
いいだろう。

車量が550iのほうが60kgほど軽いので、若干機敏に走れ
るはずだ。

車体のディメンション(全長、全幅、トレッド、ホイールベース)も
E550のほうがひと回り大きい。

ちなみに、エンジンについては、どちらも6気筒モデルが存在
する。

たとえば販売の主力になるであろうE 300に搭載されている
V型6気筒エンジンは、総排気量2996cc、最高出力231ps/
6,400rpm、最大トルク300Nm/2500 – 5000rpmだ。

対するBMWは、同クラスに当たる530iの場合、伝統の直列
6気筒エンジンは総排気量2996cc、最高出力 272ps/6650
rpm、最大トルク315Nm/2750rpmと上級モデルE 350並み
のパワフルさ。

しかも車重はこちらでも60kgほど530iが軽い。スペックを見る
限り軽快な走りが期待できそうなのは5シリーズのほうだ。

しかし、メルセデスは最大トルクを発生する回転域が低くそして
広く、トルク重視の傾向が伺える。一方のBMWはよく回るエン
ジンといったところだろう。

ゆったり力強く走るならベンツ、アクティブに走りを楽しむなら
BMWという、よく言われる両者のイメージとも一致する。

もちろん、実際に運転したときの印象や運動性能は、トランス
ミッションのギア比、サスペンションによって大きく変わるものだ。

ここでの比較は、あくまでスペックの数値だけに注目している
ので、誤解のないように。

燃費はどうだろうか。550iの国内仕様の10・15モード値は
7.4km/lで、E 550は7.8km/l。6気筒同士ではE 350が
9.5km/l、530iが9.4km/l。いう数値が出ている。

カタログ燃費の差はV8エンジン搭載モデルでも5%程度なので、
両車の燃費性能はほぼ同レベルといったところだろう。

◆設計コンセプトに企業ポリシーの違いが出る

トランスミッションは、550iが電子油圧制御式6速オートマチック
(ステップトロニック付き)だ。ステップトロニックは、シフトレバーの
簡単な操作でシフトアップ、シフトダウンを可能にしてくれる機構だ。

回転数やタイミングなども自動制御なので、ラフな操作でもエンジ
ンなどに余分なストレスを与えないで済む。

E 550のトランスミッションは7Gトロニック7速オートマチックとなっ
ている。こちらもパドルやレバーでの直接操作が可能だが、BMW
のシフトレバーは、レバーを前後に動かしてシフトチェンジするタイプ
だが、メルセデスは新型になってステアリングコラムに生えたセレ
クターレバー(ダイレクトセレクト)でシフトを選択する方式が採用された。

マニュアルモードはステアリングホイール背面に生えたパドルシフト
でおこなう。

駆動系やサスペンションなどのアクティブ制御を見てみよう。

まず、ABSはもはや常識。550iの主なアクティブ制御機能は、DSC
(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)、CBC(コーナリング・ブレー
キ・コントロール)、DTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)、
DBC(ダイナミック・ブレーキ・コントロール)などがある。

BMWの場合、実績のある多彩なブレーキ制御(4輪を独立して制御
する)技術が特徴だ。

また、走行状況に応じてステアリングのギア比を自動で制御する
アクティブ・ステアリングも5シリーズならではの装備であるが、
挙動が乱れた際には、カウンターステア制御をおこなうなど、スムー
ズな走りをサポートだけでなく安全装備としての機能も併せ持つ。

E 550は、ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)とASR
(アクセラレーション・スキッド・コントロール)にブレーキアシストの
ついたABSが、主なアクティブ制御機構となっている。

機構の名称の数ではBMWのほうが優っているが、どちらも、アク
セル制御とブレーキ制御を組み合わせたスタビリティコントロールと、
状況に応じたアクセル制御を行うトラクションコントロールが制御の
柱という点では大きな違いはない。

しいて言えば、メルセデスはアクティブ制御を、危険回避など安全
装備としての機能を重視してとらえている傾向が見えるが、BMWは
事故防止の他、運転のしやすさや積極的なドライビングをサポート
する機能を意識しているといえるだろう。

とくに、BMWは先に述べたステアリングだけでなくサスペンションにも
アクティブ制御を取り入れている。

その他細かいところでは、550iには、ランフラットタイヤの設定がある
が、E 550には、タイヤの空気圧モニターがついている。

走行中にレーンを外れたことを警告してくれる装置は550iにオプション
で備わっており、ハンドル操作を検知して運転者の異常(いねむりなど)
や注意を喚起してくれる機能はE 550だ。

550iにはヘッドアップディスプレイがついており、E 550には、インパネ
のメーターがマルチファンクションディスプレイにもなっている。

以上のように、あらためて主だったスペックや機能などを比較してみると、
似たような働きをもつと思われるようなものであっても、その作動ロジック
や設計コンセプトに企業ポリシーの違いが出ている。

【関連リンク】BMW 5シリーズ公式サイト

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