2009/09/13
ベンツでもエコカー減税 Sクラスのハイブリッド発売
Sクラス・ハイブリッド・ロング
エンジンルーム内に置かれたリチウムイオン電池
ウッドやクロームを効果的に使ったインテリア
メルセデス・ベンツ日本は3日、輸入車初のハイブリッド車となる「Sクラス・ハイブ
リッド・ロング」(欧州名:S400ハイブリッド)を発表し、同日発売した。
ハイブリッドモデルは、S350の3.5L、V6エンジンを改良し、エンジンと変速機
との間に薄型の電気モーターを配置。高価だが小型で高性能のリチウムイオン電
池を搭載する。ハイブリッド化による重量増を75kgにおさえ、S350と同じ室内空
間・トランク容量を確保した。
リチウムイオン電池の採用は、量産ハイブリッド車では世界初。コンパクトなので、
ガソリン車のバッテリーと同じエンジンルーム内のスペースに収納でき、このレイア
ウトが居住空間の広さに大きく寄与したという。
燃費はリッター11.2キロと、S350より約30%向上した。Eクラスを上回るのは
もちろん、1.8LのCクラス並みの水準を達成している。
Sクラスならではの安全性や快適性はそのまま。車線逸脱を感知してハンドルを
振動させる警告装置や、先行車や対向車を感知してヘッドライトのハイビーム/ロ
ービームを切り替える装置なども標準装備されている。
「これはまぎれもなくSクラスだ。従来の価値を少しも損なわず、高い環境性能を
実現した」(メルセデス・ベンツ日本のテンペル社長)という。
価格は1450万円。正規輸入車では初のエコカー減税対象車で、自動車取得税
・重量税70万円相当が全額免除される。
気になる点もある。コンパクト化に努めたとはいえ2トンを超えてしまった車重。
S350より400万円も高い価格。左ハンドルしかない設定も、日本人ユーザーには
気がかりな点だろう。ライバルとも目されるレクサスLS600hLは、5LのV8エンジ
ンを積みながらわずかに燃費が良い。
もっとも、細かな燃費の数値を気にするユーザーが購入するようなクルマではない
のも事実。あらゆる意味で最高峰をめざしてきたメルセデスが、環境性能でも頂点を
めざすという、いわば意志表示だからこそ、Sクラスにハイブリッドが設定されたのだ
ろう。 (アサヒ・コム)
【Sクラス・ハイブリッド・ロング】
全長×全幅×全高:5,230×1,870×1,485mm、
車両重量:2,070kg、ボディ形式:4ドアセダン、
ハンドル:左、駆動方式:FR、定員:5名、
エンジン形式:V型6気筒DOHC/3,497cc、
エンジン最高出力:279ps/6,000回転、
エンジン最大トルク:350Nm(35.7kgm)/3,000-5,500回転、
モーター出力:20ps、モータートルク:160Nm(16.3kgm)、
燃費:11.2km/L(10・15モード)/12.7km/L(NEDC総合モード)、
価格:1450万円(消費税込み・登録諸費用別、自動車取得税と
重量税は全額免除)
関連URL : http://www.mercedes-benz.co.jp/passenger/car_lineup/s-class/index.html#/Impression/