2009/12/13
フォルクスワーゲン、スズキへ１９％出資 筆頭株主に
提携合意 小型車共同開発
資本・業務提携交渉を進めていたスズキと独自動車大手フォルクスワーゲン（ＶＷ）
は９日、ＶＷがスズキの発行済み株式の１９・９％を取得して筆頭株主になると発表
した。
スズキもＶＷ株を一部取得し、ＶＷから環境技術供与を受け、小型車の共同開発
なども進め、世界最大の自動車メーカー連合を形成する。
１～９月の両社合計の世界販売台数は６４９万台でトヨタ自動車グループの５６４
万台を上回っており、世界の業界勢力図が大きく塗り替わることになる。
ＶＷは１９・９％のスズキ株を２０１０年１月に２２２４億円で取得する。スズキは、
提携先だった米ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）から買い戻してある自社株をＶＷに
売却する。
売却で得た資金は次世代環境技術など研究開発に約１２００億円、有利子負債
の削減に１０００億円を充てる。スズキもＶＷ株を最大１０００億円分（２・５％相当）
取得するが、当面は５００億円分の取得にとどめる。
スズキはハイブリッド車や電気自動車の技術供与をＶＷから受け、ＶＷはスズキ
が得意な小型車の共同開発やインドなどスズキが高いシェア（市場占有率）を持つ
新興国市場の情報を交換し、世界戦略を加速させる。
両社は同日、包括提携の契約に調印した。記者会見したスズキの鈴木修会長兼
社長は、「スズキの良さを生かしマイナス面をカバーするために決定した」と述べ、
ＶＷの出資比率引き上げは「経営悪化しない限りない」と否定した。
スズキ １９２０年、鈴木式織機として設立。
本社は浜松市。軽自動車・小型車に強く、インドでの販売シェア（市場占有率）は
約５割。２００８年の世界販売台数２３６万台。
フォルクスワーゲン １９３８年設立。本社は独ウォルフスブルク市。
独アウディなどを傘下に持つ。
中国での販売シェア１位。２００８年の世界販売台数６２５万台。
