2010/01/04
ポルシェ ボクスター スパイダー 試乗レポート
クラシックなスタイルと徹底した軽量化
ボクスターというクルマ、よく考えてみると、ちょっと不思議な存在ではある。
ミドエンジンという、レーシングカーと同じエンジンレイアウトを採用したピュアな2座
スポーツカーでありながら、ポルシェのなかではリアエンジン4座の911シリーズの
下のポジションに位置していて、「入門用ポルシェ」なんて呼ばれちゃったりしている。
ところがここにきて、ポルシェにとって2009年最後のニューモデルとなる、ボクスター
スパイダーなるクルマが登場。
しかも、どうやらこいつは並みのボクスターではないらしい。
ボクスタースパイダーというネーミングは、なんだかイージーに名づけた感じがして、
あまり感心しなかったし、クルマそのもののキャラクターもイマイチ明確に理解でき
なかった。
ところが、ポルシェとして初といわれるアメリカ、カリフォルニアでのワールドプレミア
国際試乗会に参加し、それに触れ、それに乗ったら、ネーミングのやり方なんか
どうでもいいか、という気になった。
そう、このちょっとお手軽につけた感じの名前を持つボクスターの変種、実は想像
した以上に魅力的なクルマなのだった。
普通のボクスターとどこが違うのかというと、ポイントは2つ。そのひとつは、独特
の形状の幌や、ヘッドフェアリングとスポイラーを加えたリアフードなど、まさにボク
スタースパイダーの車名のとおり、550スパイダーに端を発する50~60年代の
ポルシェ製レーシングスパイダーのイメージを意図した、クラシックなスタイリングを
持っていること。
もうひとつは、そのソフトトップが手動式であり、リアフードがアルミ製であることが
示しているように、かなり徹底した軽量化が施されたクルマであるということだ。
(カービュー)