2010/05/07

メルセデス・ベンツ E350 BlueTEC(ブルーテック)


Eクラスに最新クリーンディゼルを搭載


力強い動力性能と燃費経済性を実現した
E350 BlueTEC

 メルセデス・ベンツは、エコカーの一つとして
ディーゼルエンジン車を積極的に輸入している。

2006年に、当時の排ガス対策を施したE320CDIを投入し、
約4,000台の販売実績を積み上げてきた。

そして、最新ディーゼルエンジンを搭載したのが、
今回試乗した2010年モデルのE350BlueTECである。

旧型に比べ排ガス浄化能力が向上


伸びやかに加速する軽快な運転感覚

 これまでのE320CDIと、今度のE350BlueTECで
何が違うかといえば、排ガス浄化性能が一段と高まった
ことである。

排ガスにアンモニアを混ぜたうえで、触媒を使って
窒素酸化物(NOx)を約69%低減する技術が
採用されている。

 ガソリンエンジンと違って、ディーゼルエンジンは
粒子状物質(PM)という細かい煤(すす)状の排出物が
排ガスに含まれる。

これを取り除くには、燃料の軽油をよく燃やすことが
効果的だが、それでは燃焼温度が高くなって
NOxの排出量が増える。

逆に、NOxの排出を少なくするには燃焼温度を
下げるしかなく、そうなるとPMの排出が増えるという
二律背反する課題があった。

また、燃焼温度を下げれば、効率が落ち、
せっかく燃費が良いはずのディーゼルエンジンの特徴を
失わせることにもなる。


日米欧の厳しい排ガス規制をクリアした
ディーゼルエンジン

 E350BlueTECに採用された技術は、
すでにトラックで普及がはじまっている方法で、
まずPMを減らすため燃料を完全燃焼に近づける。

これであれば、ディーゼルエンジン本来の
燃費の良さを損なうこともない。

しかし、それによって増えてしまうNOxは、
アンモニアを排ガスに混ぜ、化学反応しやすく
しておいて、触媒で退治する。

 ただし、そのアンモニアは、尿素水
(メルセデス・ベンツではAdBlue/アドブルーと呼ぶ
尿素の水溶液)という状態で、
燃料タンクと別に車載しなければならない。
これが面倒だ。

トラック/バスなら別にタンクを置く場所がなくはないが、
乗用車で余分の空間を確保するのは難しかった。

 E350BlueTECでは、尿素水を入れておく24.5Lの
タンクを、トランク床下のスペアタイヤ収納場所に設置した。

では、スペアタイヤはどうするかというと、
パンクして空気が抜けても走行を続けられる
ランフラットタイヤを採用することで、搭載をやめたのである。

 こうして、日米欧のもっとも厳しい排ガス規制を
クリアするディーゼルエンジン車ができあがった。

それが、E350BlueTECである。

世界に先駆け、日本への導入がはじまった。

2トン近い車両重量でも力強い加速


ゴルフバッグが4個搭載できる広い荷室

 Eクラスの4ドアセダンとステーションワゴンの両方に、
BlueTECの設定があり、
今回試乗したのはステーションワゴンである。

 Eクラスは、昨年5月にモデルチェンジをしているが、
ステーションワゴンは今年2月に遅れての導入となった。

Eクラスステーションワゴンには、
このE350BlueTECの他に、ガソリンエンジン車もある。

 Eクラスステーションワゴンは、
先代に比べ角ばった外観を生かした荷室は十分に広く、
たとえばゴルフバッグが4個搭載できる広さを確保
しているというのが、一つの売りである。

 そして、最新のディーゼルエンジンを搭載した
E350BlueTECは、1960kgという2トン近い
車両重量でありながら、ディーゼルエンジン特有の
低回転での力強さによって、文句ない加速を
もたらしている。

回転の上がり方も滑らかで、
エンジン回転計を注視していなければ、
レッドゾーン(回転限界)を超えてしまいそうなくらい、
伸びやかに加速していく。

ヨーロッパでディーゼルエンジンが人気の秘密は、
経済性だけでなくこうした優れた加速性能にもある。

 Eクラスステーションワゴンの中でもっとも重い
車両重量であるにもかかわらず、
E350BlueTECは10・15モード燃費でもっとも
優れた性能を示しているあたりは、
燃費が良いのが特徴のディーゼルエンジン
ならではのことである。

使い方によって車種が選べるEクラス


トランク床下のAdBlueタンクと
補給用尿素水のボトル

 さて、トランク床下に搭載した尿素水の補給についてだが、
一度満タンにしておけば2万4000kmほど走行可能であると
されており、一般的な日本のクルマの利用のされ方からすれば、
1年以上は十分に足りることになる。

またトラックなどですでに利用されている方式のため、
緊急の際には、道の駅などで補充用ボトルを購入することも
可能だという。

ただし、尿素水の寿命は2年なので、
2年を経た際には入れ替えが必要だ。

 同じEクラスには、小排気量ガソリンエンジンと
ターボチャージャーの過給により燃費を改善する
E250CGIもある。

ステーションワゴン同士で比較すれば、
車両重量は1770kgと軽量で、
運転感覚が軽快で楽しい。

また、4輪駆動のE3504MATICもある。

 各自の使い方によってエンジンや駆動方式など
車種を幅広く選べるというのが、
新しいEクラスステーションワゴンである。

                     (読売新聞)

関連URL : http://www.mercedes-benz.co.jp/passenger/car_lineup/e-class/index.html#/Impression/


コメントは受け付けていません。

心のこもったディリーメッセージ

サイト内検索


Go Top