2010/05/23

ポルシェ カイエン 試乗レポート【前編】(3/3)



先代よりクルマが小さく感じられる!



V8のバンク内にコンパクトなツインターボユニットを収めた
カイエンターボの4.8リッターV8スーパーチャージャーユニット。
燃費は先代カイエンターボ比で25%向上している。

テールゲートはオプションで電動タイプを選べる。
ラゲッジ容量は670リッターで、バッテリーを搭載する
カイエンSハイブリッドのみ580リッターに低下する。
リアシート全てを畳むと1780リッター
(ハイブリッドは1690リッター)となる。


 新型カイエンには 非ハイブリッド・モデルとして
3.6リッターのV6を積むカイエン、
3.0リッターのV6ディーゼルを積むカイエン・ディーゼル、
4.8リッターのV8・NAを積むカイエンS、
そして同V8ツインターボを積むカイエン・ターボの
4モデルがある。

 今回の試乗で用意されたのは後の2台と、ハイブリッドだ。

 V8・NAは400ps、0-100km/h加速5.9秒、
最高速258km/h、10.5L/100km。

 V8ツインターボは500ps、0-100km/h加速4.7秒、
最高速278km/h、11.5L/100km。

 どちらも当たり前に速い。

 重量はSで2065kg、ターボで2170kgとなるため
走りのバランスの良さはSに軍配が上がる。

 とはいえ、ターボの加速は911ターボを彷彿とさせる
狂気にも似た迫力だ。

 確かに重みがあるが、それゆえにあらゆるものを
力でねじ伏せる制圧感に言葉を失う。

 この2台からポルシェ度を感じる要素は“身のこなしの軽さ”。

 シリーズ全体で先代よりもひと回り小さなクルマを操る
感覚があるのが特徴だ。

 それはエンジンがパワフルだから…ではなく
ハンドリングによるところが大きい。

 そう、先に記した燃費に効く軽量化が、
実は走りの“らしさ”も影で支えていたのだ。

 カイエンは良くVWトゥアレグと走りを比べられるが、
先代はトゥアレグより確実にスポーティなことや、
わずかなハードさが“らしさ”だった。

 では新型はというと、新たなトゥアレグを試してないので
断言はできないが、先代の違いを踏襲しつつ、
より軽量になったことを活かしたものではないだろうか?

 先代はどうしてもヘビー級SUVのドタッとした部分が
垣間見えたが、新型はそうした感覚が薄れている。

 そしてこれが、先代よりも一回り小さなクルマを操る感を
生んでいるのだ。

 軽量化はトゥアレグでも行われているが、
カイエンの場合、その軽量化は燃費削減以上に“らしさ”
であるスポーティネスの増加に貢献したはず。

 そこに効率向上を行ったとはいえ相変わらずパワフルな
エンジンが加わって、ポルシェ度の高いSUVが出来上がる。

 やはりSUVでも、スピードやスポーツ性という血は
忘れられていないと感じるのだ。

 そしてこの軽量化がもたらしたスポーツ性は、
ハイブリッドモデルにおいてはさらに“らしさ”を花開かせる
大切な要素になっているのだった。






















               
                                                                    (カービュー)


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