2010/06/11

ポルシェ パナメーラ 試乗レポート(3/4)

並外れた進入速度を支えるメカニズム





「ターボ」のアルミホイールは19インチが標準で、
試乗車はオプションの20インチを装着。
黄色のブレーキキャリパーが高性能を主張するPCCB
(ポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ)を装着すると、
驚くほどよく止まるというが、
オプション価格も驚きの153万8000円(!)。
大径のブレーキディスク(外径=前:410mm、後:350mm)は
カーボンファイバー製で、同サイズのスチール製と比べると
約50%も軽量化されているという。



PDKのセレクターレバーを中心に、
エアコンや各種電子デバイスの操作系がずらっと並ぶ
センターコンソール。
走行モードを「ノーマル・スポーツ・スポーツプラス」から
選択できるPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション)や、
最低地上高を120mm-145mm-165mmの間で調整できる
エアサス、
可変リアスポイラーの操作などもすべてスイッチひとつ。
可変リアスポイラーは、90km/hで自動的に上昇し、
205km/hオーバーでその角度をさらに増してダウンフォースを得る。


 今回の試乗車には、操舵角や横Gなどをセンシングして、
カーブで車体が傾く量をアクティブスタビライザーで制御する、
オプション設定の「PDCC」が装着されていた。

 ロールが抑えられて操作性が向上すると共に、
4つのタイヤが見事なまでに路面を捕まえて仕事を
している感覚があり、4輪駆動のトラクションの良さが
さらに効果的に発揮されて強力な加速を生み出していた。

 また、このPDCCはコーナーリング性能も向上させている。

 そもそもパナメーラには、「PASM」というダンパー減衰力を
無段階に調整できるアクティブサスペンションシステムが
標準採用される。

 この効果とコーナーでの踏ん張り感を高める1930mmの全幅、
そして旋回中の安定感を高めるロングホイールベースにより、
PDCCが無くても気持ちよくカーブを曲がることはできる。

 だがPDCCがあると、どこまでもハンドル操作に忠実に反応して
曲がるといったライントレース性が向上する。

 これによりカーブでの旋回速度も高まり、
最終コーナーの脱出スピードも高まるというわけだ。

 そしてもう一つ、驚異的なストレートスピードを可能にした
性能として挙げるべきが、ブレーキ。

 オプション設定のセラミックコンポジットブレーキ「PCCB」の
実力ではあるものの、これが驚くほどよく効く!

  実は、時速250キロ以上のストレートスピードを実現する
一般車の試乗で、今まで1コーナーへのブレーキポイントが
300mを切ったことなど無かった。

 もちろん無理をすれば超えることはできたが、
“何が”あってもコースアウトしないだけの安全マージンを取ると、
結果的に300mというブレーキポイントは大きな壁になってくる。

 だがパナメーラターボでは、ブレーキを酷使しても
ブレーキタッチが変わらない安心感や信頼感と
そのストッピングパワーから、
編集長も同乗する環境にも関わらず、
300mの壁を無理なく破ることができた。

 逆に言えば、1コーナーの300m手前付近まで
アクセルを踏み続けられたので、時速270キロに
迫るストレートスピードが出たともいえる。

 ちなみにこのPCCB、他のパナメーラモデルでも
オプション選択できるが、ターボモデルではその強大な
出力に合わせてローター径が大きくなった
強化バージョンが付く。

                       (カービュー)

関連URL : http://www.porsche.com/japan/jp/models/panamera/


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