2010/12/29

【BMW 5シリーズツーリング 試乗】523i の繊細さに好感













BMWがツーリング(Touring)と名付けたハッチバック・モデル
の歴史は旧く、BMW最初のメガヒットとなった02シリーズに
登場した1975年にまで遡る。

BMWが言う「ツーリング」とは、
他のメーカーではステーションワゴンに相当するモデルであり、
セダンをベースにして4~5人の乗車と200~300kgの荷物を
積むことを可能としたものだ。

ヨーロッパなどでの長距離高速旅行を想定したモデルであり、
走行性能や室内の艤装などは高級セダンに準じたものと
なっている。

このBMWツーリングの最新型が新しくなった
『5シリーズ・ツーリング』というわけ。

まず、スタイリングは最初からワゴン・ボディを意識
していたとしか思えないほど、バランスに優れた
グッド・デザインだ。

セダンをベースにワゴンを造ると、
大抵の場合何処かにデザイン上の歪みが出て、
違和感のあるものになってしまいがちなのだが、
この5シリーズ・ツーリングに限ってそれは全く
感じられない。

言い方は悪いが、トランクの素晴らしく大きな
セダンなのである。

もともと、セダンのスタイリングが完成したもの
であるだけに、それを崩さずにワゴン・ボディを
造るのはかなり難しいことだったに違いない。

リア・ゲートは上開きの一枚ドアで、
リア・ウィンドウの傾斜もかなりキツイのだが、
使い勝手はすこぶる良い。

リア・ウィンドウのみの開閉が可能なのは
旧モデル譲りだ。

リア・シートが分割可倒式なのはもちろんで、
最大で1670リッターの容量を持つ(2名乗車時)。

5名乗車(後席を起こした状態)では560リッターだが、
実用上はこれで十分以上だ。

ヴァンやルート・トラックではないのだから。

日本に導入されるツーリング・モデルは、
535iと528i、そしてベィシックな523iの3種がある。

上位モデルの535iと新規導入の523iに乗って見る。

両方とも直列6気筒DOHCエンジンを搭載、
後輪駆動のシステムも同じである。

たしかに、カタログ上のパワーでは535iが
シングルパワーターボと称するターボチャージャーを
装備して306hp/5800rpmのパワーと
40.8kgm/1200~5000rpmのトルクを発揮する。

一方の523iは204hp/6100rpmと
27.5kg・m/1500~4250rpmだ。

数値から言えば相手にならない位の差がある。

しかし、究極的な条件で無い限りは、
実際上はそれほどの差は無い。

何時もスロットル・ペダルを床まで踏み込んで
走っているようなら別だが、普通に走っている
限りはむしろ排気量の小さなエンジンの方が
繊細なフィーリングが楽しめる。

さらに、ツーリング全車種の後輪サスペンション
に組み込まれたセルフレベリング機構は、
後輪の動きをチェックすることにもなり、
きわめて安定性の高い走りを実現している。

535iと523iを比べてどちらか?というなら、
535iは性能的に手に余る部分があり、
523iで日常生活は十分というところ。

価格的にも大差ない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おススメ度:★★★★

                       (レスポンス)


コメントは受け付けていません。


Go Top