2012/09/22
縦列駐車が怖い
Q
縦列駐車のコツを教えてください。以前はできたのですが、一度、前方に停車していた車が入れ替わって自分で出せない状況に陥り、人に助けてもらいました。それがトラウマになり、ここ10年ほど縦列駐車を避けていたところ、今度はイザ止めようと思っても、全くできなくなってしまいました。
A
人の助けを借りたっていい 感覚を身につけよう
縦列駐車は、普段からやりつけないでいると私でも失敗しますし、難しい運転のワザのひとつと言えるでしょう。
とはいえ、私は職業柄、感覚で何気なくやってしまうので、正確にお伝えできるよう、いろいろ調べてみました。
止めるスペースは自分のクルマの長さの1.5倍が目安です。軽自動車やコンパクトカーは全長4メートル以下なので、6メートルくらいということになります。
まず、縦列駐車するスペースの前方に止まっているクルマと平行になるように、自分のクルマを止めます。この時、互いのクルマのドアミラーを横一線にそろえるのがコツです。また、止まっているクルマと自分のクルマの間は1メートルくらいあけるといいそうです。
ここで、ハンドルを左にいっぱいに切ります。そして、ゆっくりとバックします。バックしながら、右側のドアミラーをチェックしていると、やがて後ろに止まっているクルマの全体がミラーに映ります。そこで一度ストップ。そして、ハンドルをまっすぐに直します。再びバックを開始。右後ろのタイヤが、駐車枠の白線にのったら、またストップします。ここで、今度はハンドルを右へいっぱいに切ります。そこでまたバックを開始。
こうして、後ろのクルマとの距離を見ながらバックすれば、無事に駐車枠に収まり、あとは前後のクルマとのあきを調整すれば縦列駐車は完了です。
さて、コツといっても、その中にまだ難しさが潜んでいます。例えば最初に前方のクルマの横に1メートルの余裕を残して止まるというところは、運転席からでは、その1メートルがわかりにくいですよね。また、ハンドルをいっぱいに切ってバックするとき、本当に前のクルマにぶつからないか、ドアミラーで隙間を確認したり、自分のクルマの前端の角を目測で判断したりしなければなりません。
マニュアルにコツが書かれていても、それだけで完璧にできるようにはならないでしょう。初めは家族や友人などに手伝ってもらって距離感を確認しておくと、より安全ですし、自分でも安心です。
運転のコツといわれるものは、気づくためのヒントです。大切なのは運転を繰り返すことで感覚を身につけ、全ての方向に目を配り、注意を払うことです。
縦列駐車をするなら、まずウインカーやハザードランプなどで他のドライバーに自分の意思をきちんと伝え、クルマの流れがなかなか途切れないときは、無理にバックし始めないで、一呼吸待つくらいの気持ちの余裕が大切です。そうすれば、案外あっさりできてしまうかもしれません。
クルマの運転は、自分一人で奮闘するのではなく、親しい人の助けを借りたり、周りのクルマと互いに意思疎通をはかったりしながらやると、楽しめるようになります。そうしてひとつひとつできるようになっていくところが、運転の醍醐味(だいごみ)でもあるのです。
(読売新聞)