2009/06/07
自動車盗難の標的は高級車から商用車へ
自動車盗難件数は減少傾向
(社)日本損害保険協会では、1ヶ月間に全国で発生した自動車盗難
事故で、車両保険金を支払った事案を対象とした調査をした。
08年11月に実施した最新の調査によると、車両本体が盗難に遭っ
た総件数は639件にのぼり、車上狙いの総件数は2,634件だった。
07年度の調査結果に比べ前者は186件減少し、後者は504件減少
した。
自動車盗難件数を都道府県別にみると、最も多かったのが愛知県
(179件)で、全体の28%を占めた。
また車上狙い件数は大阪府(715件)が最も多く、全体の27.1%を
占めた。
被害に遭う自動車の種類が変化
自動車盗難件数は00年度の調査開始以来、05年度まで1,000件超で
推移し、過去のピークは04年度の1,429件だった。最新調査では、
この半数以下にまで減ったことになる。
その要因としてイモビライザー(電子式移動ロック装置)や市販
のセキュリティ装置を搭載する車両の増加が挙げられる。
そうした状況を背景に、以前は高級乗用車が自動車盗難件数の
多くを占めていたのに対し、最近はワンボックス型の商用車や
トラックが増えている。
市場に出回るワンボックス型の商用車はイモビライザーの
装着率が低く、07年度は134台、08年度は98台と2年連続で最も
多く盗難に遭っている。
このように数年前とは「盗難に遭う自動車の種類が違う」と
いう事実を、まずしっかり把握しておきたい。
法人名義の多い商用車やトラックは、夜間に人気のない
事業所の敷地内に保管されているケースも少なくない。
このような環境で被害に遭わないための一手段として、市販
されている後付のセキュリティ装置を装着するといった防衛策
を提案していきたい。
(東京海上日動)