2010/05/22
ポルシェ カイエン 試乗レポート【前編】(2/3)
8速ATと4WDシステム
インテリアはATセレクターの前後左右に携帯電話風に
スイッチが並ぶ、パナメーラ系のデザインになった。
4WDモードのセレクターなどは従来通りロータリータイプ。
8速AT搭載モデルはすべてアイドリングストップ機構を装備する。
軽量化とともに燃費に効くのが3.6リッターのV6ガソリン車
以外の全車で採用した新8速ティプトロニックS。
レクサスLS460用を改良したアイシン製の8速ATの採用の
効果は大で、7速と8速はオーバードライブおよび低燃費走行
用のギアと割り切っている。
これが特に高速域で燃費を大幅に削減するという。
4WDシステムは新しいPTM(ポルシェ・トラクション・
マネージメントシステム)を採用するが、ここでも33kgと
地道な軽量化を図った。
しかもこの軽量化、先代にあったリダクションギアを
廃した結果だが、それでもオフロードで妥協のない性能
を手に入れた。
特にカイエン/カイエンS/カイエン・ターボが採用する
PTMは電子制御のアクティブ4WDで、サーキット同乗
走行で後輪駆動を思わせるほどノーズが鋭く入る一方、
オフロードでは「市販のカイエンでこんな走り絶対にしない!」
レベルでのトラクションの強力さを披露した。
これにはオン/オフを問わずに高い能力を発揮する
オプションのPTVplus(ポルシェ・トルクベクトリング・プラス)
によるところも大きい。
後輪への駆動力可変配分機能と電子制御リアディファレン
シャルを用い、オンではコーナーイン側にブレーキをかけ
アウト側に大きな駆動力を配分して回頭性を高め、オフでは
専用プログラムで後輪がトラクションを失うのを防ぐわけだ。
(カービュー)