2010/10/13

フォルクスワーゲン ポロ GTI 試乗レポート(3/4)




躊躇せずガンガン踏んでいける


ゴルフTSIハイラインやシロッコTSIにも採用される1.4リッ
ターTSIツインチャージャーを、ポロGTIへの搭載にあたり
160ps/24.5kg-mから179ps/25.5kg-mへとチューン
アップ。自慢の7速DSGとの組み合わせで、燃費はGTI
史上最高の16.6km/Lを達成した。先代GTIの1.8リッタ
ーターボ比では、29ps/3.1kg-mの出力向上と3.4km/L
の燃費向上を同時に果たしている。0-100km/h加速
6.9秒という数値は、ゴルフGTIとまったく同じだ。


トランスミッションが従来の5速MTから7速DSGに変わっ
たことで、誰にとっても扱いやすいホットハッチとしてユー
ザーの間口が広がった。ステアリングにはもちろんパドル
シフトが備わり、カチッという硬質な手応えとともに電光
石火のシフトチェンジを味わえる。


 日常域で感じる力強い印象は、
鞭を入れても裏切られることはない。

 2000rpmから4500rpmという幅広い回転域で
発揮される25.5kg-mの最大トルクは、
望んだその瞬間、シフトダウンさせなくても即座に
欲しいだけの加速をもたらす。
小排気量故に吹け上がりも軽快だ。

 惜しいのは179psの最高出力を発生する
6200rpmから先で、如実に伸びが衰えること。

 7000rpm手前まで回るには回るが、
あまりソノ気を起こさせない。

 しかしながら、
瞬く間に変速を繰り返すDSGとの組み合わせが
実現するキレの良い加速感には、
それだけでヤミツキになりそうなほどの刺激が
あふれている。

 ドイツで試乗した車両は、
Dレンジでも減速時に積極的にシフトダウンする
“好戦的”な躾けだったが、
今回の試乗車はそれほどでもなかった。

 もちろんパドルスイッチあるいはセレクター
レバーを操作すれば、
電光石火のマニュアル変速を楽しめる。

 フットワークはやや腰高感があり、
硬めの乗り心地からするとロールもするが、
肝心なスタビリティは際立って高い。

 それでいて、
擬似LSD的な働きをする“XDS”の効果もあって、
決して曲がらないわけではなく、
コーナー立ち上がりでまだ舵角が残っているうち
から躊躇せずガンガン踏んでいけるのは
爽快の一言である。

 但し、この電子制御がサーキットのような限界域で
どんな動きを見せるのかは微妙なところ。

 最新のゴルフGTIなどは、
軽くテールスライドさせただけで制御が介入してしまい、
高い安全性の一方で、走りを楽しみたいユーザーに
物足りなさを感じさせている部分もある。

 改めて、そうした領域でもテストしてみたいところだ。

                    (カービュー)

関連URL : http://pologti.jp/#/top


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