2012/05/01
ハイオク指定車 レギュラーでも大丈夫?
Q ハイオク指定車 レギュラーでも大丈夫?
実際はレギュラーガソリンなのに、「ハイオク」と偽装して販売していたスタンドが、全国で209か所に上ることが明らかになりました。エンジンに何か問題が発生しますか。(大手小町編集部)
A 壊れないが、出力や燃費が落ちる
ハイオクとレギュラーのガソリンを入れ間違えても、今のクルマはエンジンが壊れる心配はありません。
ハイオクとは、ハイ・オクタンの短縮語です。オクタンとは、ガソリンの燃え広がりにくさを示す指数で、燃え広がり方が遅いほどオクタン価が高い、すなわちハイ・オクタンなガソリンとなります。
オクタン価が高い方が、エンジン内でガソリンが燃える際の異常燃焼、いわゆるノッキングが起こりにくくなります。
ノッキングは、エンジンのシリンダー内でピストンが混合気を圧縮したあと、点火プラグで着火するのとは別にガソリンが燃えてしまう現象です。ガソリンが燃えるというより爆発的な衝撃エネルギーとなって起きるもので、これが続くと、エンジンが壊れます。
スポーツカーなどに搭載される高性能エンジンになると、ノッキングが起きやすいので、ガソリン成分を調整したり添加物を加えたりしたハイオクが使われます。また、輸入車は、欧米で売られているガソリンの質に合わせてエンジンが造られているので、ハイオク指定が多くなっています。
レギュラーガソリン指定のクルマは、そもそもノッキングが起きないように、性能を抑え気味に造られているわけです。
冒頭で答えたように、万一、ハイオクではなくレギュラーを入れても、今のクルマはエンジンが壊れないよう、コンピューター制御されています。ただ、出力や燃費といった性能は落ちます。価格が安いからと、ハイオク指定のクルマにレギュラーを入れると、性能も燃費も悪くなるため、お勧めできません。
ただし災害時など、レギュラーしか手に入らない状況もあるでしょう。その場合は使っても大丈夫ですし、エンジンが壊れる心配はないでしょう。
近年、エコカーとして見直されているディーゼルエンジンの燃料は軽油です。これは、ガソリンとは全く違う燃料ですから、もし入れ間違えたらエンジンを絶対に始動せず、すぐに販売店等に連絡し、タンク内の燃料を入れ替える必要があります。
(読売新聞)