たばこの販売本数 2458億本ーー男性の喫煙減少響くーー
2010/04/20 ちょっとしたお話
日本たばこ産業(JT)が、火を使わず煙が出ない無煙たばこを5月に東京都内で発売する。
禁煙の場所が増える中、愛煙家が周囲に迷惑をかけずに吸える製品を開発した。
日本たばこ協会(東京・港)によると、2008年度の紙巻たばこの販売数は2458億本と前年度比4.9%減った。
ピークだった1996年度の3483億本から約3割減った。
販売金額(たばこ関連の税金を含む)は08年度に同4.8%減の3兆7270億円。
09年度も振るわず、10年2月までの累計は本数が2142億本、金額が3兆2472億円と、08年4月~09年2月に比べてそれぞれ5.3%減った。
厚生労働省の06年の調査によると、喫煙者が1日に吸う平均本数は約20本で以前からあまり変わっていない。
JTの調査では09年の男性の喫煙率は38.9%で、10年前から15ポイント下がった。
女性は09年に11.9%でほぼ横ばいが続き、男性喫煙者の減少がたばこ需要に響いている。
「60歳代以上はたばこを吸わなくなる比率が高くなる。
高齢化もたばこ市場の縮小の要因」(JT)という。
厚労省が2月に病院や駅などの公共施設を原則、禁煙にするよう求める通知を全国の自治体に出した。
神奈川県では4月に公共施設の全面禁煙を義務付ける強制力のある条例が施行される。
今後もたばこ市場への逆風は続く見通し。
JTは換気方法の指導など分煙環境づくりのコンサルティングを強化し、吸う人と吸わない人の共存を狙う。