上がるごとに季節移ろう
北海道の大雪山では早くも木々が色づき、紅葉前線が南下し始めた。
全国のロープウエーの中から、きれいな紅葉を眺めることができるところを専門家に選んでもらった。
1位 中央アルプス駒ケ岳ロープウェイ(長野県駒ケ根市)481ポイント
高低差、終着駅の標高とも日本一で、ふもと駅から急斜面を駆け上がる際に見える紅葉は絶景。終着駅で降りれば、周りに広がる千畳敷カール(氷河の浸食でできた半円形の谷)の真っ赤なモミジやナナカマドから山頂付近の黄色いダケカンバまで、標高によって植物の違いも楽しめる。
1967年の開業で、高山帯にあるロープウエーとしては最も歴史が古い。
(1)9下~11上(2)7分30秒(3)950メートル(4)2200円(5)0265・83・3107
2位 新穂高ロープウェイ(岐阜県高山市)464ポイント
国内唯一の2階建てゴンドラから、急斜面を彩るブナ、ナラなど黄色を中心とした紅葉を楽しめる。
2つのロープウエーを乗り継ぎ、終着駅の展望台からは北アルプスの槍ケ岳など3000メートル級の山々を一望できる。
今年は40周年を記念し、キノコ狩りやゴンドラから望む夕日などのイベントを開催している。
(1)9下~10下(2)約11分(3)1039メートル※(4)2800円(5)0578・89・2252
3位 大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ(北海道上川町)303ポイント
国内最北にあるロープウエー。
大雪山系の雄大な山々を背景にダケカンバの黄色、ナナカマドの赤、針葉樹の緑など斜面を染める色とりどりの紅葉を楽しめる。
初冠雪後は頂に雪をかぶった山も望める。
終着駅でリフトに乗り継げば黒岳の7合目まで運んでくれ、山頂付近ではすでに木の葉が黄色やだいだい色に色づき、見ごろを迎えているという。
(1)9中~9下(2)7分(3)630メートル(4)1850円(5)01658・5・3031
4位 寒霞渓(かんかけい)ロープウェイ(香川県小豆島町)300ポイント
岩の間をすり抜けながら、切り立った岩壁や奇岩に張り付いた紅葉を楽しむことができる。
色づく木々は50種以上で、黄色のウリハダカエデ、赤のイロハモミジ、茶色のイワシデなど様々な色がまざり、錦絵のよう。
(1)11中~11下(2)5分(3)317メートル(4)1250円(5)0879・82・2171
5位 箱根ロープウェイ(神奈川県箱根町)294ポイント
最新式のゴンドラは四面が天井から床までガラス張りで、座って富士山の雄姿や芦ノ湖を彩る紅葉を満喫できる。
2つのロープウエーに分かれており、絶景ポイントは早雲山駅~大涌谷駅間。大涌谷では地上130メートルの空中散歩を楽しめる。
有料ロープウエーでは世界一の乗客数という。
(1)11上~11中(2)24分(3)304メートル※(4)2340円(5)0465・32・2205(平日)
6位 八甲田ロープウェー(青森市)260ポイント
緩やかな斜面を上る大型ゴンドラから、赤や黄色に色づいた八甲田連峰の広大な景色を一望できる。
降車駅近くの4号支柱周辺が見どころ。
近く新しい山頂展望台が完成。従来より高所から遠望できる。
(1)9下~10下(2)10分(3)650メートル(4)1800円(5)017・738・0343
7位 御在所ロープウエイ(三重県菰野町)204ポイント
深い谷間を走り、白い花こう岩と赤いツツジ、黄色のクスノキなど紅葉のコントラストが鮮やか。
晴れた日は伊勢湾、琵琶湖、富士山も見える。
(1)10下~11下(2)12分(3)約800メートル(4)2100円(5)059・392・2261
8位 立山ロープウェイ(富山県立山町)199ポイント
立山連峰の山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」の中でも人気の区間。1本の支柱もないゴンドラからは、山の斜面にナナカマドやヤマウルシがびょうぶ絵のように美しく色づく様子が楽しめる。
(1)10上~10中(2)7分(3)488メートル(4)1890円(5)076・432・2819
9位 蔵王ロープウェイ 山麓線/山頂線(山形市)178ポイント
赤とだいだい色を基調とした力強い紅葉を堪能できる。
降車後は、天候や季節により色が変わる湖「お釜」まで紅葉に囲まれた散策も。
(1)9下~10下(2)約14分(3)806メートル※(4)2500円(5)023・694・9518
10位 谷川岳ロープウェイ(群馬県みなかみ町)153ポイント
左右に広がる谷間を進む。
こんもり茂る木々が紅葉時期にすべて色づき、ブナの黄色、ナナカマドやカエデのだいだい色を最大40メートルの高さから見下ろせる。
終着駅近くになると右手に谷川岳の山頂が見えてくる。
(1)10中~10下(2)10分(3)573メートル(4)2000円(5)0278・72・3575
表の見方 数字は選者の評価を点数化。(1)今年の見ごろ時期(数字は月、上は上旬、中は中旬、下は下旬)(2)ゴンドラに乗っている時間(片道、乗り継ぎ時間は除く)(3)標高差(※は施設を構成する2つのロープウエーの最高地点と最低地点の標高差)(4)往復の大人料金(5)問い合わせ電話番号