Aクラスのエンジン始動不良
2009/10/04 <ベンツ> 修理事例
こんにちは。
工場の加藤です。
今回は、一時流行った?Aクラスのリングギアの取り換えを。
リングギア? というのはフライホイールについている・・・
専門用語で分かりにくいですが、エンジンの後ろ側(ミッション側)についている
エンジンを掛けるためのセル(スターター)モーターで回されるギアです。
エンジンキーを捻ると(最近では、ボタンを押すと)セルモーターから小っさいギアが
飛び出し、エンジンの軸に連結しているリングギアを回し、エンジンを始動します。
しかし、エンジンを切ると圧縮の弱い、いつも似たような位置で停止します。
そのため同じような位置ばかりにセルモーターのギアが飛び出して引っかけ、
その辺りの部分ばかりがすり減ってきます。
じゃあそのギアを交換!ですが、エンジンとミッションの間についているので、
エンジンとミッションを分割しないと取り換えできません…
分割するには、どちらかを取り外すということになり、
FRだと下からミッションだけ外せますが、最近のFF車などは、
一体で下します。
メルセデスベンツ Aクラス W168の場合なんかは、足周りも一緒に外したほうが、早いです♪
作業手順は、まずエンジンミッション、足周りを一帯で降ろします。
前回りがすっきりと、エンジンルームがからっぽになりました。
お次に、エンジンとミッションを、分割。
セルモーターを取り外し、ギアの状態を見てみると…
画像で見ていただくとよくわかりますが、きれいにすり減ってますよね。
今回は、少しでも修理費用を抑えるために、中古部品を使用しましたが、
これだけの作業工賃はそこそこ掛かります。
セルモーターの飛び出し不十分が原因で、こうなってきます。
エンジンを始動する際に「ギャー!」とか「ジャー!」とギアの滑った音がしたら即点検に!
そのまま使用を続けると、どんどんギアが減って来て、始動不良に陥ります。
なんとかエンジン掛かってるからと、弱ったバッテリーの使用を続けると、
こんなことにも成りかねませんので、余分な修理代がかかる前に、
バッテリーの取り換えか、セルモーターの修理を♪