2009/10/28

東京モーターショー(上) 自動車「再発明」の時代


東京モーターショー|トヨタ自動車|電気自動車|日産自動車|ホンダ 

トヨタ「FT―EV2」の運転席。スティックで車を操る
(EV2の「2」はローマ数字)

「第41回東京モーターショー」が24日から11月4日まで、千葉・幕張メッセで一般
公開される。

 国内メーカーを中心に、各社は最先端の次世代エコカーなどで環境技術とクルマの
魅力を内外にアピールしている。

 トヨタ自動車が世界で初披露した電気自動車(EV)の「FT―EV2」は、運転席をの
ぞくと、クルマに対する従来の概念が覆されそうになる。

 円形ハンドルやペダルが見当たらない。運転手は、手元のスティックを前後左右に
傾けながら、「より直感に近い操作」(開発者)で車を思い通りに走らせることができる
仕組みだ。豊田章男社長は「近い将来の実用化を進める」と話す。

 日産自動車の2人乗りEV「ランドグライダー」は幅1・1メートルの個性的な外観だ。
曲線道路ではバイクのように車体を内側に傾けて走り、「空を飛んでいるような運転
感覚が味わえる」(先行商品企画室の林隆介さん)という。

 注目されるのはランドグライダーが採用する「非接触型」充電システム。充電設備
のある特定の場所に止めるだけで充電できる。同様のシステムは、国土交通省が
日野自動車の路線バス用ハイブリッドバスを使い、営業所などに充電装置を置いた
実証走行試験を行っている。

 1回の充電で走れる距離が短いのがEVの弱点だが、充電システムが進化すれば
利便性は高まる。将来は高速道路走行中に充電できる時代が来るかも知れない。

 家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)では、三菱自動車の「コン
セプトPXミーブ」が面白い。車に蓄えた電力を家庭に供給する蓄電池としても使える
という想定だ。

 ホンダのブースでは、電動化した車が普及した将来社会のイメージをショー仕立て
で紹介する。EVの運転手が歩行者と携帯端末を通じて通信するなど新しい世界が
広がる。

 今回のモーターショーは、海外勢の参加辞退が相次ぎ日本メーカー中心となったが、
米ビジネスウィーク誌東京特派員のイアン・ローリー氏は「最先端の環境技術やデザ
イン、日本独自の軽自動車などスモールカーの取り組みが見られる東京モーターショー
は非常に意義がある」と評価する。

 エンジンからモーターなどへ動力源の変革が始まり、自動車産業は「車を再発明す
る時代」(豊田社長)に突入した。次世代エコカーの「本命」がまだ見えない中、東京
モーターショーは、生き残りを懸けて未来のクルマ社会を探る国内各社の「いま」を伝
えている。

 ◇出展車両とブースの紹介はこちら

 ◇会場の動画へ

                                         (読売新聞)

コメントは受け付けていません。

メカニックの部屋(修理事例) 

サイト内検索


Go Top