“心ぶら(しんぶら)”
2009/06/01 植田 茂夫
みなさん、おはようございます。
先日、久しぶりに心斎橋をぶらぶらしたのですが、
大阪一の繁華街(古い言葉ですね)の、
その時代、時代の変貌ぶりには驚かされます。
以前の心斎橋はというと、
御堂筋・大丸・そごう という高級百貨店を抜きにしては語れず、
お金のない我々学生が、買うでもなくぶらぶらすることを
“心ぶら(しんぶら)”などと言っていました。
それほど当時のミナミ界隈は、こだわりの専門店や
歴史ある老舗が数多く存在し、ここでしかない一点物を
みんなに自慢したいために、日々繰り出していました。
ところが今歩いてみると、ドラッグストアに携帯ショップ、
スニーカーの店に、なぜか女性下着のショップが、
ジャンクフードとともに軒を並べ、
さしずめどこにでもある「街の商店街」という印象で、
結局、ユニクロとスウォッチと閉店間際のそごうをまわり、
ドラッグストアで入荷したてのマスクを買っただけで、
楽しいものや珍しいものも見つけられず帰ったのですが、
よくよく考えてみると、まさにダーウィンの進化論、
これが「変化に対応した者が生き残る」という
現在の心斎橋のバランスのとれた姿であり、
見映やカッコよさに惑わされない
「採算の合う店」なんだ、と納得してしまいました。
しかし反面、
心斎橋という大阪を代表する繁華街に
大人の居場所がないというのも、
都会と呼ぶには悲しく感じた久々の“心ぶら”でした。
それではまた来週、植田茂夫でした。
キリンプラザ跡地「ラズ心斎橋」に、
銀座、原宿、渋谷、新宿に続く
国内5店舗目の『H&M』が出店決定!