遥か昔に400km/h
2014/10/30 尾崎 由典
アウトウニオンのP ワーゲン
当時、プジョーとアルファロメオにヨーロッパのグランプリ・レースは完全に牛耳られていた頃。
レースを席巻し、ナチスの名を上げる為、国家の威信を賭け、国家政策にも近い予算をメルセデスとアウトニオンに援助した、アドルフ・ヒトラー。
独裁者としてのイメージが強い彼ですが、色々な文献等を読む中で今日の自動車の発展には欠かせない重要人物である事が解ります。
大の車好きのヒトラー。愛車はメルセデスだったらしい。事故を起こした時、強固な作りのメルセデスに守られ無傷で生還した為、そこからはメルセデスにしか乗らなかったとか??
そんな、莫大な援助を受けた、アウトウニオン。あの鬼才アウグスト・ホルヒがいながらも天才フェルナンド・ポルシェが設計し、P ワーゲンを完成させます。
今のF1の基礎ともなるこのPワーゲン エンジンレイアウトはミッドシップ 45度 V16型 6リッターもあったと言われるtypeC。馬力は520hp。
(これが、後のメルセデスとアウトウニオンのシルバー・アロー伝説。アウトウニオンはシルバー・フィッシュとも・・諸説あり)
1937年には、天才ドライバーのローゼンハイマーを乗せ、出来たばかりのアウトバーン。すなわち公道で時速406kmを達成しています。
1938年にストリーム・ライナーの完成。typeCベースで作られたオールアルミボディのとてつもないモンスターマシンを開発。
1938年にこのフォルムは先進的すぎるでしょ・・・・・
時速434kmに到達するのですが、その直後ドライバーのローゼンハイムと共に空中に舞い上がり飛散したそうです。
ただよく考えて下さい。
現在2014年、達成時1938年。
76年前の出来事とは思えないですね・・・驚愕するばかり。
面白いもので、こうして歴史を紐解いていくと、何となくそのメーカーの拘り等が伝わってきますね。
AUDIの前身アウトウニオン。まだまだおもしろい話がいっぱいありそうです。
アウトウニオンの名声を高くしたのが、P(ポルシェ)ワーゲンの輝かしい実績で、AUDIが今日のプレミアムブランドまでのし上がれたのは当時VW社長に就任したての「ピエヒ」が今のAUDIの独立した経営の土台を作りあげたからで。
何も関係なさそうですが、この「ピエヒ」こそ、何を隠そうポルシェの孫なんです。
VW、AUDI、Porscheには切っても切れない縁が存在するのでしょうか?
もっと勉強しなくては・・・
では。
尾崎でした。