弥生三月の出来事 3月21日 春分の日
2010/03/21 ちょっとしたお話
春分と秋分の彼岸会は仏教伝来の習慣と
思われがちだが、その先例はインドにも
中国にもないという。
土着の祖霊崇拝や太陽信仰と結びつき、
太陽が沈む西方を「彼岸」と考える、
日本独自の仏事になったといわれる。
『源氏物語』などに彼岸の記述があることから、
平安時代中期には、すでに定着していたと見られる。
一方、海外でも、形は異なっても、川の西岸を
彼岸とみなす国もある。
古代エジプトでは、ナイル川の東岸は生者の岸、
西岸は死者の岸とされ、西岸にピラミッドを
建てた。
さらに、世界遺産にもなっているアブ・シンベル
神殿は、春分と秋分の時期だけ、小さな入り口から
いちばん奥の神殿に太陽の光が届くように
つくられているそうだ。
その数日は、神像は黄金色に輝くという。
またインドでは、ガンジス河の西岸で菩提樹の
薪を用いて火葬する。そして遺灰は河に流す。
インドの人々は墓をもたない。
先祖への祈りはガンジス河に向ける。
沐浴をすることで、先祖と語らうのだろうか。