きれいな 「お辞儀」 は、「息づかい」 から
2009/12/20 雑学
きれいなお辞儀、息づかいから
以前、テレビ局の方から相談を受けました。
視聴者から「アナウンサーの中に、言葉と一緒にお辞儀する人と言葉の終わりからお辞儀する人がいる。どちらが正しいのか」という指摘を受けたというのです。
日本では、お辞儀を「三息の礼」ともいいます。
「吸いながら頭を下げて、下で息を吐いて吸いながら上げなさい」という教えです。
なぜ息を吸いながら頭を下げるのでしょうか。
それは言葉の終わりからお辞儀に入ると、表情と言葉を相手に伝えられるからです。
つまり言葉の終わりから頭を下げるのが正しい動作なのです。
さらに下で息をはきなさいというのは、下で一度静止するということです。
下で止まらないお辞儀はだらしのない印象を相手に与え、誠意が感じられません。
少し高度なテクニックですが、頭を下げて静止した後、体を起こしながら体が15度程度折曲がった状態でもう一度わずかに静止することを私はすすめます。
この角度だとうつむいてはいても相手が視界に入ります。
この状態で相手をうかがい、すでに頭を上げていたらこちらもすぐに体を起こします。
もしまだ頭を下げていたら前傾15度の姿勢でいったん待って、相手に合わせてあげます。
相手より早く上げない、相手にいつも頭を上げるところを見せることで「丁寧な方、誠実な方」という印象を与えます。
年末年始はあいさつが特に多い季節です。感じのよいお辞儀を心掛けましょう。
(マナーデザイナー 岩下宣子さんの日刊の記事から)