トゥルーニア・マンシャフトの魂
2014/07/17 尾崎 由典
日本時間、7月13日月曜日をもってFIFA 2014 W杯ブラジル大会が閉幕を迎えたわけですが、見事ドイツが4回目の優勝を果たしました。
レーブ監督が代表に関わり始めて10年目で偉業を達成しました。
「マンシャフト」と言えば、ドイツ代表の呼称です。日本語訳すると、集団とかチームという意味です。
「トゥルーニア」はトーナメントという意味です。
トゥルーニア・マンシャフト。直訳するとトーナメント集団。
意味がわからないと思いますが、実はこの呼称・・・
よほどのサッカーファンじゃないと知らない呼称なのです。
トーナメントになると無類の勝負強さを見せるドイツ。トーナメント中に徐々に強さを増し、完成度を高めてくるマンシャフトという意味で、この呼称がつけられてます。
それにしても、今大会のドイツには今まで以上に魅せられました。
最後まで、手を抜かない。誰一人サボらない。交代した選手はきっちり仕事をこなす。
ドイツの戦い方に何かグッと来るものがありました。
なんと言ってもドイツと言えば世界的に名リベロ輩出国。
ベッケンバウアー、マテウス、ザマーといった具合にリベロはドイツの代名詞でもありました。
近年の戦術では、守るだけがDFの仕事ではなく、仕掛ける事もやらなければならず、守備における代表的な攻撃的戦術がオフサイドトラップという戦術です。
この近代戦術の導入により、これまで画期的だったリベロというポジションが消えつつありましたが、今大会ドイツはそのリベロが復活しました。
その代役をこなした選手がGKのノイアーです。
11人目のフィールドプレイヤーの誕生です。
どういう意味かと言いますと、サッカーではGK以外の選手をフィールドプレイヤー言いますので、ノイアーはリベロとGKの両方のポジションをこなしていたと言うことになります。
つまり11人目のフィールドプレイヤーということです。
彼の恐るべき守備範囲は幾度となくドイツの危機を救いました。
彼無しでは今回の優勝は語れません。
また若きDFリーダーのフンメルスの統率力も目を見張るほどの大活躍でした。
そして、なんと言っても守備に最も貢献していたのが、今大会、勝ち上がってきたチームには必ず絶対的な存在として一人はいた、クローザー又はアンカーの選手でしょう。
ドイツで言えば、シュバイニ、ケディラの両選手がドイツの大黒柱でした。
謂わば「潰し屋」といった方が的確でしょうか。
守備の面でこれだけのバランスが取れていれば、大会通して堅固な守備力を発揮出来たのも頷けます。
それに加え、2大会連続得点王に手をかけたミュラーに加え、若き天才、ゲッチェ。それに将来有望なシュールレ。経験豊富なW杯最多得点記録保持者のクローゼ。マルチな才能でユーティリティー性豊かなクロース。
これだけのタレント性が揃っていては、鬼に金棒と言ったところです。
しかし、ドイツの本当の強さは豊富なタレント性ではなく、チームとしての団結力とハードーワークさに加え、誰ひとりサボらない手を抜かない諦めない勤勉さなのではないかと思います。
あの勝負強さは、そういった国民性にも似た、「戦う姿勢」が僅差の試合を競り落としていく強さなのではないでしょうか。
日本代表が最も学ばなければいけないのは技術、戦術云々。昔は日本にもあったはずの「戦う姿勢」かもしれません。
とにかく、これからのサッカー界のトレンドはドイツサッカーになりそうな予感です。
「ハードワーク」
「前線から均等にバランスの取れたハイプレス」
「アンカーとGKの重要性」
ここが今までドイツになかった【プラス・パスワーク】
これが世界の最先端で最も今一番強いサッカーです!!
以上尾崎でした。