「本ものの生き方」 ―商売に生きるー

2007/10/12 想い、願い

金さえ儲かればよい

それが商売というものだとこう思い込んで

あたら働きがいを

あくせくと過ごしてしまってはいないだろうか。

―― 何がしかの生計の資(もとい)を得たいばっかしに

あなたは今日もペコペコと頭を下げ

うわべだけの笑顔をつくり

モミ手をしながら嘘八百の説明をして

僅かのゼニをお客から奪おうとしている

そういう商売の仕方を

恥ずかしいことだとは思わないのだろうか!

もし商売というものが

自分の心に、自分の手で、糞をぬりつけ

人間の誠実さ、美しさ、温かさをいけにえとして

わずかのゼニをつかむだけのものであるなら、

今日限り

そんな恥ずかしい商売は止めてしまおうよ。

親子五人、­モク拾いしてでもよい

ニコヨンになってでもよい。

もっと生きがいのある、

もっと誠実にくらせる、

そして

モット大手を振って大地を行く

生き方をしようよ!

―― だが、私は信じる、

あなたがいよいよ今日

死ぬという間ぎわに

あなたの子どもたちを集めて

「お父さんは立派な商人だったよ」と

ハッキリと、自慢のできる商売の道がある

―ということを。

本ものの生き方 ( 岡田徹詩集から )


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