事故を予知する方法

2009/08/13 ちょっとしたお話


1:29:300。この数字を見て、皆さんは何を想像するだろうか?
実はこれ、危険な事故を予知するのに役立つ経験則なのだそうだ。


発見者の名を取って「ハインリッヒの法則」と呼ばれている。


たとえば、重傷以上を伴う重大事故が1件起きたとする。
統計的にいえば、それまでに軽傷を伴う中規模の事故が29件は
起きており、さらに危うく事故になりかけたヒヤリハット体験
300件は起きているはずだ、というわけ。


1件の重大事故は実は「氷山の一角」に過ぎない。
その背後には、事故が発生する「確率のぴラピッド構造」が隠
れている。


自動車、飛行機、列車などの交通事故から公園遊具による
子どもの事故や病院の人為ミスまで、あらゆる場面に当て
はまるのだそうだ。


この法則は70年以上も前に米国の保険会社の技師、
ハインリッヒさんが労働災害を分析している際に発見した。


「これを逆手に取れば、命にかかわる重大事故を予知したり、
防いだりすることができる」と説くのは「失敗学」で知られる
畑村洋太郎・東大名誉教授。


まず注意を払うべきは300件の無傷の未遂事故や29件の軽傷事故。


「とにかく、身の回りでうっかりミスが目立つようになったら注意
すること。


大事故の予兆として受け止め、放置せずに何らかの対策を直ちに
講ずることが絶対に必要」とアドバイスする。


つまり、1件の重大事故が起きるまでに、29300の警告信号が
点灯すると考える。


これに気付いて対策を取れば、致命的な事故が防げるというわけ。


「人間は必ず失敗をする生き物。それを前提に、小さな兆候も
見逃さないように心がければ大きな失敗は防ぎやすい」
と呼び掛ける。


事故発生の確率のピラミッド構造を炙り出したハインリッヒ
の法則。


こうした生活の知恵を様々な場面でうまく活用したいものだ。



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