関東の1個残し
2010/07/11 ちょっとしたお話
「自分、居酒屋なんたら(仮名)は、絶対行かない主義なんすよ」。
知り合いの男子がきっぱり言う。
理由を聞くと、ひと皿の焼き鳥が、割り切りにくい5本入り。
最後に残った1本をめぐるツレとの心理戦がイヤだという。
そ、それだけで?
飲食店経営の落とし穴は、思わぬところに転がっているらしい。
そこで今週のお題は「関東の1個残し」。
宴会の大皿料理が、なぜか最後に1個だけ残り、誰も手をつけない関東人の気質を言う。
それも半分は、見えっ張りを自嘲(じちょう)ぎみに、もう半分は、やせ我慢にいとおしさも込めて。
古い言葉だけど、今流行の県民ネタの走りみたいなもんだと思う。
たしかに関東の宴会では、料理が皿にポツンと残った光景はおなじみ。
でも調べてみるとこれ、関東限定じゃなかった。
「肥後のいっちょ残し」とか、「津軽衆(最後の1個が残ると津軽人気質にかけてこう呼ぶ)」とか、似たような言葉が全国にある。
例外は関西。
それどころか、遠慮のかたまりを最後に関西人が持って行く「関東の1個残し、関西の全部食べ」なんて言葉もあったりする。
というわけで、1個残しの心理を探りに、焼き鳥5本入りの東京の居酒屋「なんたら」へ3人連れでGO!
はらぺこが悪かった。
頼んでも頼んでも、ぜんぜん残りゃしないし。
地域気質も、食欲にはあっけなく惨敗。