強さを分析してみると・・・

2007/11/11 植田 茂夫 (毎週土曜日)


みなさん、おはようございます。

私の今季のプロ野球は、中日に三タテをくらった時点で
終了したのですが、先日、『落合竜を斬る』と題し、
今年のドラゴンズを判りやすく分析していました。

最後まで監督の采配には賛否両論ありましたが、
勝負の世界ではなにが最優先されるのか、
ということがデーターを見て良く分かりました。

ペナントレースをふりかえり、ざっくりとした印象として中日は、
投手力の高さと鉄壁の守備で僅差のゲームをものにしてきた印象が強い。
だが、実はそうでもない。データを見るかぎり投手力も守備力も
巨人や阪神と変わらない。いや、むしろ劣っているといえよう。

まずはセリーグ各チームのシーズン勝敗表

一位: 巨  人 : 80勝 63敗 1分 勝率.559 ゲーム差 —
二位: 中  日 : 78勝 64敗 2分    .549      1.5
三位: 阪  神 : 74勝 66敗 4分    .529     4.5
四位: 横  浜 : 71勝 72敗 1分    .497     9.0
五位: 広  島 : 60勝 82敗 2分    .423     19.5
六位: ヤクルト : 60勝 84敗 0分    .417     20.5

次にセリーグ上位3チームの攻撃力、守備力

球団   打率 本塁打数 得点数 失点数 防御率 守備率 失策
巨人   .276  191   692   556  3.58  .990  54
中日   .261  121   623   556  3.59  .987  69
阪神   .255  111   518   509  4.01  .988  68

巨人の本塁打の多さと得点の多さ、それに守備力の高さが際だってい
るのが分かる。阪神は得点・失点ともに少ないのが目立っているが、
中日が際だっているものは何もない。

仮にこの表だけを見せられたら、誰もが巨人がぶっちぎって優勝した
と見るだろう。たしかにペナントレースは巨人が優勝したわけだが、
それも僅差であり、日本一に輝いたのは中日ドラゴンズの方だった。
その中日の強さを表すデータはというと、これだ。

球団  盗塁 四死球 犠飛 与故意四球
巨人   63  390  102   31
中日   83  538  136   57
阪神   46  428  130   26

中日は圧倒的に盗塁と四死球の数で他を上回っており、相手に与える
敬遠四球の多さでも群を抜いている。つまり、攻撃機会にあっては
ボールを良く見極めて四球を取ろうという意識をもった選手が多い。
しかもいったん塁に出れば、盗塁を狙える選手が他球団よりも多い。
そして守備機会にあっては、敬遠すべき場面では思い切って敬遠する。
勝つための野球を知悉しているのだ。

落合監督と中日ドラゴンズの強みは、チームが勝つために自分たちが
やるべき野球というものをきちんと共有している点にある。
自分が何をすべきかということを皆、言わなくてもわかる選手が多い
のだろう。そして、それが出来る大人の選手が揃っているのだ。

監督の意思通りに動ける選手を育て上げてきた落合監督の手腕は
高く評価されるべきだろう。他のチームの選手だったら、果たして
落合采配を消化できたかどうか。

いかがでしょうか、チームとして最優先されるものはなにか、
それを実証するためのデーター分析、これってスポーツ以外でも
言える事ですね。そして同じく若手の育成なのでしょう。

『落合竜』、アジアシリーズも制して下さい。

   それでは又来週、植田茂夫でした。


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